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「2本目のメガネをどう買ってもらう?」メガネスーパーのLTV向上を実現したユーザートリガーDM【対談 宮森修仁、鈴木睦夫】

顧客が欲しいタイミングでのDM送付で、効果が2倍

宮森 現在、DMに活用しているシナリオは6つ。具体的には、遠近、中近、手元用、新規、ドライブ・ゴルフなどのサングラス、それに組み合わせて、もともとのフレームを使ってレンズだけを取り替える提案もしています。

 また、シナリオの追加は、店舗の声を吸い上げるようにしています。そこから実際に生まれたのが、お子さま用のメガネ。学校の健康診断があると聞いて、そのタイミングで子ども用メガネのDMを出せるようにしています。


・店舗側が確認するシステム画面。送付するDMの内容を変更できる。

鈴木 ユーザーの行動を起こす上で、最も重要なのはタイミング。自社の都合でDMを出している企業がほとんどですが、ユーザーのタイミングに切り替えるだけで効果が高まります。今回はグーフの印刷ソリューションを利用したファインドスターの「Re;p(リップ)」を活用し、運用はファインドスター、配送は日本郵便という座組みで実現しています。

 私は、この仕組みを「ユーザートリガーDM」と名付けました。デジタルマーケティングと同様に、ユーザーの行動が自動的にDM発信のタイミングを決めるからです。重要なのは、データをどう取得し、ユーザーの課題やステータスに応じたコミュニケーションです。

宮森 「ユーザートリガーDM」によって、2本目のメガネの売上が2倍近く伸びました。最初にご紹介したように、2本目を買ってもらうことでLTVが高まることを考えると、この成果は大きい。一般的なDMに比べると単価は倍ですが、それ以上にROIが改善するうえ、顧客満足アップやサイレントクレーマー防止など、計り知れない効果があると考えています。

鈴木 新たにこの取り組みを始める企業には、最初からターゲットを精緻に絞り込む必要はないと伝えています。まずはノンターゲティングで発送し、そこから結果を分析しながら、徐々にターゲットやシナリオを絞りこんでいきます。

 ポイントはDMからの購入率ではなく、売上を見ること。トータルで、どのくらいのリターン(売上)があったのか、DMのコストと比較しながらROIを算出します。

宮森 今回の取り組みを社内に通す時、LTVやリピート率を理解してもらうのに苦労しました。鈴木さんが言うように、最初から売上を伝えた方がスムーズに承認が下りたかもしれません。

鈴木 DMを使ったことがない企業が、最初に取り組むべきことは、小さな予算でもいいので、同じクリエイティブ、ターゲット、タイミング、オファーで「①Eメールだけ」「②DMだけ」「③EメールとDMの組み合わせ」を試してみることです。

 そうすると、DMだけのリフトアップが見えます。これによってDMを使う有用性の証明になりますし、バジェットをとるための説得材料になるんです。
 

 

Webサイトとの連携したDM発送も視野に

宮森 DMが届いた次の日の売上が上がったり、実際にお客さまが来店したりすることで、スタッフがDMの送付を意識して、お客さまと積極的にコミュニケーションをとるようになり接客のレベルも上がっています。

鈴木 やはり、店員が顧客に対して最も強いコミュニケーションをするわけですから、そこが一番大切です。その支援こそ本部の役割ですね。

宮森 はい。今回の取り組みを踏まえて、今後は2つの展開を考えています。ひとつは、お客さまの来店理由や来店手段などの情報をさらに引き出して、もっとお客さまに刺さる「ユーザートリガーDM」を実現させていくということ。

 もうひとつは、ECサイトに訪問したお客さまに対してもDMを送るということです。これを実現させるために、ECサイトのつくり方も変えていきたいと思っています。

鈴木 それは、すごく大事なことですよね。例えば、ECサイトを見た人に店舗に来てもらうためにはどうしたらいいか。そして、その逆に店舗に来た人にどうやってECサイトで買ってもらうのか。その鍵は、まさにデータにあると思います。

 潜在顧客を掘り起こすためには、ファーストパーティデータだけでは足りず、セカンドパーティデータが必要です。つまり、どこと組むかが大事になります。いつも私は講演の最後に、「競争から共創へ」みんなで繋がりましょうという話をしています。一足飛びにジャンプする必要はなく、皆さんと協力しながら新しいコミュニケーションを実現させて行きたいと思っています。
 

<お問い合わせ>

・日本郵便株式会社
Email:info_dm.ii@jp-post.jp
・イーリスコミュニケーションズ株式会社
Email:m.suzuki@iriscomm.jp
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