関西発・地方創生とマーケティング #44前編
W杯出場選手も輩出、ガンバ大阪はなぜファンに愛されるのか? 水谷尚人社長に聞く〝勝点3〟目指す経営術
2026/09/08
サッカーワールドカップ(W杯)、盛り上がりましたね。日本は惜しくもブラジルに敗れましたが、私も夜中に家族と観戦し、改めてスポーツの力を実感させられました。
近鉄グループにも、以前はプロ野球の球団が、そして今もラグビーチームがあります。そこで企業とスポーツの関係が気になって、堂安律選手などスター選手を輩出しているガンバ大阪の水谷尚人社長に関する記事をいくつか読んでみると、サッカークラブとホテルには意外にも共通するところが多いことに気づきました。
ブラジル戦の翌日、ガンバ大阪のホームであるパナソニック スタジアム 吹田を訪ねると、スタジアムが見渡せ、扉を開けると観覧席に出ることができる素敵な場所で水谷社長が迎えてくれました。ファンとの関係、感動を届けること、そして経営について。ホテル経営にも通じるガンバ大阪、そして水谷さんの経営術をお聞きします。
近鉄グループにも、以前はプロ野球の球団が、そして今もラグビーチームがあります。そこで企業とスポーツの関係が気になって、堂安律選手などスター選手を輩出しているガンバ大阪の水谷尚人社長に関する記事をいくつか読んでみると、サッカークラブとホテルには意外にも共通するところが多いことに気づきました。
ブラジル戦の翌日、ガンバ大阪のホームであるパナソニック スタジアム 吹田を訪ねると、スタジアムが見渡せ、扉を開けると観覧席に出ることができる素敵な場所で水谷社長が迎えてくれました。ファンとの関係、感動を届けること、そして経営について。ホテル経営にも通じるガンバ大阪、そして水谷さんの経営術をお聞きします。
ファンとはフランクに付き合う
ホテルのレストランや宴会は地元のお客様がメインなのですが、意外と宿泊についてもその傾向があります。そしてガンバ大阪にも、やはり地域のファンが多いそうです。
ファンの皆さんとの関係は非常に大切にしており、ファンクラブ運営やイベントを実施しています。ファン感謝デーは年に一度開催しているほか、ロイヤル会員向けには選手との交流イベントなども行っています。一方で、サポーターやファンを集めた大規模なミーティングのような場は、あえて設けていないそうです。それよりも日常的に触れ合った方がいいと、たまたま居酒屋で会ったファンと乾杯するとか、「フランクに付き合いたい」と水谷社長はおっしゃいます。選手はなかなか行くことができないので、フロントが会話することで、色々と聞けることがあるということです。
2025年1月に着任して以来、今ではだいぶ「顔が割れ」、周辺のご飯屋さんや電車の中でファンに(いい意味で)絡まれるそう。対戦相手のクラブの会長と飲みに行って、2軒目のスポーツバーにいた時にたまたまテレビ取材の対応をしたこともあるとか。

ガンバ大阪 代表取締役社長
水谷 尚人 氏
早稲田大学を卒業後、リクルートに入社し、1992年に公益財団法人日本サッカー協会に転職。その後、1996年から2002年までFIFAワールドカップ日本組織委員会に出向。2002年にSEA、2003年にスポーツマーケティングを手がけるSEA Globalを設立し、代表取締役に就任。起業後、2002年から湘南ベルマーレの強化部長、取締役、代表取締役社長を務め、2016年から平塚市教育委員(~2020年)、2023年から公益社団法人日本プロサッカーリーグ カテゴリーダイレクター(~2024年)を務める。2025年1月にガンバ大阪 代表取締役社長に就任した。
水谷 尚人 氏
早稲田大学を卒業後、リクルートに入社し、1992年に公益財団法人日本サッカー協会に転職。その後、1996年から2002年までFIFAワールドカップ日本組織委員会に出向。2002年にSEA、2003年にスポーツマーケティングを手がけるSEA Globalを設立し、代表取締役に就任。起業後、2002年から湘南ベルマーレの強化部長、取締役、代表取締役社長を務め、2016年から平塚市教育委員(~2020年)、2023年から公益社団法人日本プロサッカーリーグ カテゴリーダイレクター(~2024年)を務める。2025年1月にガンバ大阪 代表取締役社長に就任した。
感動を届けるために必要なこと
水谷社長は「感動を届ける」という言葉を使われます。感動を「与える」とか、地域に「貢献する」だと、どこか「上から」な気がするからだそうです。感動って、生活の中でそうそうないけれど、スタジアムで共感を生むこと、それをこの空間で体感してもらうことが、「翌日からの皆さんの活力になってくれたら嬉しい」とおっしゃいます。
ホテルでも、安心して宿泊していただく、安全な食事をとっていただくことは当たり前で、次のステップに進めるには、やはり「感動」が必要。そのためには予想・期待を上回るサービスを提供することが大切なのだと思います。ではサッカーだと、どういうところが感動を届けるポイントになるのでしょう。
「一番は、やっぱり試合で選手が期待以上の動きをしてくれることですが、我々のようにクラブチームで働いている側にとって大切なのは、お客さんと一緒に感動できるかどうか、ではないでしょうか。そのためには、僕らが本当に生き生きと、楽しんで仕事をしなくちゃいけません。
たとえば試合の時は、必ず『いらっしゃいませ』と言う。お客さまから声をかけられた時に、僕らがつまらない顔をしていたら、『試合は良かったけど、なんだよ』となります。テーマパークに行ったらみんな笑顔になれるのは、働いている人が笑顔だからですよね。社員には、そういうマインドを持って欲しいと思っています」
これについてはホテルも同じです。スタッフを笑顔にするために、経営者としてどうしたらいいのか。重ねて尋ねると、「自分自身が笑顔でいたい」と。サッカーなので連敗することもあるし、辛い時もあるけれど、そういう時にどういう姿勢でいるのかが経営者には問われます。勝つか負けるかしかない世界なので、それを受け入れて「明日は絶対いいことあるから」という姿勢を見せることを意識されているそうです。




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