「今だからこそ」ダイレクトマーケティング基礎講座 #09
「ママ向け市場」への対応を舐めてはいけない、拡大する通販ニーズ【ペンシル 倉橋美佳】
2019/02/05
ママフレンドリーで売上アップ
では、この「ママフレンドリー最適化」には、どのようなポイントがあるのでしょうか。1.1日のタイムライン
子育て中のママの「1日のタイムライン」を整理すると、とても不規則な生活を余儀なくされるため、出産前とは全く違う時間軸で行動していることがわかります。当然、接触するメディアも変わり、接点に求められるクリエイティブも変化します。また、Web上で作業を中断しても問題ないように、いつでも元の場所に戻ることができる設計が重要になってきます。
スマートフォンで買い物途中に赤ちゃんが泣き出したので、操作を中断した →
泣き止んだあとに継続しようとしたら、セッションが切れていて、最初から情報を入力することになった。
泣き止んだあとに継続しようとしたら、セッションが切れていて、最初から情報を入力することになった。
こういった経験をすれば、ママにとって嫌な印象が残ってしまうでしょう。
2.情報収集
ママは、出産前よりも行動のエリアが狭くなったり、パターン化されたりすることが想定されます。そして、それを補完するように、インターネットから幅広く情報を収集します。スマートフォンから頻繁に情報収集するため、通販事業者は鮮度の高いコンテンツを継続的に発信する必要があります。また、情報収集量も増えるため、必要な情報にすぐにたどり着けるようになっているか、探したい商品がすぐに探せるかといった観点で、効率的に伝えたい情報を届けることが求められます。
3.共感
子どもができると、自分優先であった価値観が、家庭が中心に変化する傾向が強く見られるため、そうした背景を理解した上での共感が必要です。また、子育て中の悩みや苦労をクリエイティブに反映し、共感を得るかという視点も重要です。女性ならではの視点を提供したことで、ソーシャルメディアで“バズる”なんて現象が起こるのも、共感性が高いからと言えるでしょう。
4.コミュニティ
最後は拡散です。仕事先・家族・子どもなど、大きく3つのコミュニティでそれぞれの顔を持って生活をするようになります。- 仕事先 → ○○さん
- 家族 → ■■さんの奥さん
- 子ども → △△ちゃんのママ
複数の顔を持って生活するにあたって、コミュニティ内で入手する情報や提供する情報を使い分けていくことになります。
ソーシャルメディアを活用したインターネット上での発信がどのように重要であるかにつながりますが、それぞれのコミュニティの世界観を保ちつつ、どのように発信ができるかという点を考慮していく必要があるのです。
まとめると、ママフレンドリーは、ママ向けプロダクトだけの話ではありません。生活者視点からどのようなソリューションを提供できるのかというポイントは、プロダクト以外にも、サービス、コミュニケーション、情報提供などが可能な通販に必要な考え方だと思います。
生活者の多様化により、デモグラフィックでのセグメントはより意味を持たなくなってきています。より個人に向き合ってマーケティングをすることが重要になってきているように思います。
- 他の連載記事:
- 「今だからこそ」ダイレクトマーケティング基礎講座 の記事一覧
- 1
- 2