商品は、きちんと届く?配送の実態を取材した
「中国で商品がちゃんと手元に届くの?」と思っている人も多いと思うが、きちんと届く。
「ダブルイレブン」という「天猫(Tmall)」のスーパーセールでは、1日のオーダー総額が2135億元、日本円にして3兆5000億円(2018年11月11日)にも上る。この莫大なオーダーを1週間で出荷しないとペナルティがあり、これによって中国の物流が進化を遂げたと言ってもいい。ちなみに日系の現地物流会社では、2017年にこの1週間で160万件の出荷作業を行ったという。
ただし、配送会社のターミナルはダブルイレブンの荷物で満杯状態となる。
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筆者が取材したところ、きちんと届くが、荷扱いはかなり乱暴だった。
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雨の日は荷物を水たまりの上に躊躇なく置く。
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荷物を倉庫に山積みするのも特徴だ。「なぜ、きちんと積まないのか?」と尋ねたところ「どうせ投げるから」という返事が返ってきた。そのため、投げた時の破損を恐れて梱包用のプチプチをグルグル巻きにしている。化粧品の瓶がサッカーボール大になることもある。
やはり配送クオリティは、日本の方が優勢のようだ。ただし、あなどれないのは中国物流の進化だ。すでにドローン(空&陸)での配達や宅配ロッカーが急速に普及し、日本を凌駕している。
中国は、まずやってみて不都合がでたら法整備や規制が行われる。つまり、スピード重視だ。一方で、日本は事前に法整備や議論ありきで、スピード感に欠ける。
最後に、日本OMOとEC物流の発展のために、ひとつの暗喩を残し本稿の筆を置く。
日本の大企業にいる「桃太郎」は、そもそも「鬼が島」に到着できない。
「持ち物は、きび団子でいいのか?」
「鬼が島の兵力は、どれほどなのか?」
「提携は、犬と猿ときじでいいのか?」
どこかの会社でも議論ばかりで、チャンスを失ってはいないだろう
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