日本からの参加者は、どんな風に過ごしていたのか?
今年も日本から多くの人が参加していました。もっとも、参加人数は400人ほどで、昨年までに比べるとかなり減ったとのことですが。僕の印象では、若者が増えたなぁ、と感じました。いいことです。その分、各社の重鎮が減ったように思ったのですが、気のせいでしょうか。
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ここ十年(いや二十年かもしれない)で、最少かもしれません。そして「なぜ、そうなのか?」についても今後、考察して行きたいと思います。
カンヌライオンズへのコミットをやめるべきではない。
そういったことも背景にあると思うのですが、複数の場所やシチュエーションで、日本の参加者の方から、「カンヌライオンズに応募したり参加する意味合いとはいったい何なのか?」「カンヌライオンズに時間とエネルギーとお金をかけるより、日本国内のことに注力した方が良いのではないか?」という感想を耳にしました。
こうした感想と今年の受賞数の少なさは、コインの表裏だと思います。しかし僕自身は、「日本以外の動向を見たり、そうした場所で闘ってみたりすること」は相当に重要なことであり、代表的な場であるカンヌライオンズへの関与を減らすべきではない、と考えています(もちろん個人として、国内のことに注力する人がいるのは、まったく構いませんが)。
理由はたくさんあるのですが、主なものを2つだけ挙げます。
- 少子化を背景として日本企業の多くで海外市場が主要な戦場となっている中、海外の動向を無視してはいけない。
- ベンチマークとしての日本以外の動向ウオッチングの重要さ。ここには、日本での広告ビジネスのヒントがたくさんころがっている。
もちろん、個々の人、個々の会社、そして日本の広告産業全体が、カンヌライオンズにコミットする「意味を問い直す」こと自体は、とても良いことだと思います。そうしてこそコミットするメリットも、より顕在化してくるはずだからです。
さて、次回の最終回は、主な受賞作とその傾向について、お伝えしていきたいと思います。
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