変えるものと変えないもの


 タビオの経営理念に「不易流行」という言葉があります。原理原則は変えず、時代の変化に対応する。つまり、日本人の物づくりによる高い品質は変えず、それ以外に守るべきものはない、と。

 これだけ立派な理念をお持ちであれば、「靴下に限らず他の商品に手を広げても上手くいきそうですが」と聞くと、次のような答えが返ってきました。

 「今はとにかく靴下という衰退産業を守ることに専念したい。これを立て直すには自分の一生をかけないと無理だと思っている。多種多品目に拡大しても、上手くいかない。メガネや靴には、それぞれメイドインジャパンの素晴らしい会社がある。日本の会社は、自虐的ですが外から見ると実は素晴らしい」
 

日本中を大阪にしたい


 最後に、地元大阪について聞きました。

 「新幹線の新大阪駅から市内へのアクセスを良くするなど、高速道路などインフラを整備して『阿倍野、難波、梅田』を『渋谷、新宿、池袋』に。そして大阪幕府を開いて、日本中を大阪にしたい。そのために死ぬほど納税できるように頑張る」という、何とも大阪人らしい答えが返ってきました。

 大阪幕府を私も楽しみにしています。