クリエイティブでどう効果を出すか? カンヌの議論
キーノートからは、カンヌライオンズ事務局+WARCによる「Cracking the Effectiveness Code(“エフェクティブネスの法則”を解読する)」をご紹介しましょう。
エフェクティブネスとは“効果”のこと。「どんな広告をどんな風に流せば、効果があるのか」というテーマのセミナーでした。カンヌライオンズは2011年からクリエイティブ・エフェクティブネス部門を設けていますが、その部門の審査員も務めたJames Hurman氏と、“エフェクティブネスのゴッドファーザー”との異名も持つマーケティング・コンサルタントのPeter Field氏が登場しました。
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論点は3つです。第1に受賞するようなクリエイティビティの高い広告こそ効果があるということ。第2に自分たちで設定した「クリエイティブ・エフェクティブネス・ラダー(クリエイティブ効果の段階)」を発表し、効果には6つの段階(ラダー)があると主張。第3に同じく自分たちの用語である「クリエイティブ・コミットメント」を紹介しました。
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クリエイティブ・コミットメントは、僕の理解では「メディアの効果的な運用」の話で、「1.なるべく予算をかけて 2.長期にわたり 3.多くのメディアで展開する」ことを勧めていたと思います。このセミナーの元になっているスライドの詳細版(なんと120ページ以上)が、次のURLからダウンロードできるので、興味がある人はぜひご一読を!(参考:The Creative Effectiveness toolkit)
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カンヌライオンズというと、どうしても“クリエイター同士がお互いを誉め合うお祭り騒ぎ”という印象を持たれがちですが、僕自身は長いこと、決してそんな場ではないことを主張し続けてきました。
芸術作品を審査しているわけではないことは、審査員の皆さんは百も承知です。基本的に、いかに効果があったか、あるいは今後の効果的な施策へのヒントがどれくらいあるか、といった視点で審査しています。
ま、それでも一般には「効果は二の次だと考えられている」と思われがちです。そこで、“効果とは何を表すのか?”という議論や、定量的な調査も含めてカンヌライオンズ自らがセミナーで発信しているのです。