まとめ:消費者・顧客の処理容量の少なさを常に念頭に
少しグループ化の話しにこだわりすぎたかもしれません。くどいですが、今回のコラムの目的は、とにかく人間の短期記憶(ワーキングメモリ)の容量の少なさを再確認することでした。

冒頭でお話しした通り、ワーキングメモリは思考のベースです。これに深刻な限界があるため、みなさんのお客さまは頑張ってもあんまり考えられないし、そもそも考えたくないのです。
ですから、まずはすべてを極力シンプルにすることが常に推奨されますし、そもそも考えさせて説得しなくても済むのがより望ましいでしょう。ワーキングメモリを使って熟慮すること自体が負荷の高いことなので、消費者には避けられがちです。
さらには、この連載でも過去に何度も出てきているとおり、その熟慮の部分をショートカットして、感情・情動へ訴え、直感で処理される、そしてあわよくば自動化・習慣化に結び付けるということを目指したいです。
それでもどうしても機能の説明や、ロジカルな比較検討が必要な場合に、チャンキングを駆使しながら、最大4つまでのまとまりでアプローチしてみてください。
<脚注>
コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授による有名な実験。初めての方、復習したい方は、こちらの動画もご参照ください。ジャムの実験は02:50辺りからです。