主要経営陣を刷新
世界最大の広告エージェンシーグループであるWPP(本社ロンドン)は9月9日、グローバル主要経営陣の人事を発表した。WPPは今年、最高経営責任者(CEO)を7年間務めたマーク・リード氏が退任し、今月1日付で元マイクロソフトのシンディ・ローズ氏が新CEOに就任したばかり。直近のカンヌライオンズ2025では複数のグランプリを含む168ものライオンズを獲得したほか、「クリエイティブ・カンパニー・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれた同グループ。経営体制を刷新し、グループ全体のさらなる成長加速を目指す。
新たに最高執行責任者(COO)に就任するデビカ・ブルチャンダニ氏は、2022年から傘下のエージェンシー オグルヴィのグローバルCEOを務めた。約4年の在任中、オグルヴィはWARC(世界広告研究センター)のクリエイティブ100およびエフェクティブ100ランキングにおいて、史上初めて3年連続で首位を獲得するなど、世界有数のクリエイティブエージェンシーとしての地位を確立した。
ブルチャンダニ氏は就任にあたり「WPPの世界クラスの力を結集させれば、私たちはクライアントに比類なき価値をもたらす無敵の力になると心から信じています。シンディやWPPのリーダーたちと協力し、その影響力を拡大させ、パートナーのさらなる成功を推進することを楽しみにしています」とコメントした。
オグルヴィCEOにはローラン・エゼキエル氏
また、オグルヴィグループのグローバルCEOにはローラン・エゼキエル氏が就任する。同氏は直近までWPPのコカ・コーラ専門チーム Open XのCEOを務め、コカ・コーラの200以上ものブランドのマーケティングを支援。カンヌライオンズ2024におけるコカ・コーラの「ブランド・オブ・ザ・イヤー」受賞に貢献した。ブルチャンダニ氏の後任としてオグルヴィのグローバル事業全体を統括する。
エゼキエル氏は「デビカが卓越したリーダーシップチームと共に前例のない成功へと導いたこのグループを率いることを、大変光栄に思います。私はこの素晴らしい遺産を基盤とし、現代的なマーケティングと革新を推進し、オグルヴィが世界中のブランドにとって最もクリエイティブで効率的なコミュニケーションパートナーであり続けることを確実にしたいと強く願っています」とコメント。Open XのCEOには、ネスレとのパートナーシップを率いたフロリアン・トリポリノ氏が就任する。
WPPのCEO シンディ・ローズ氏は「デビカもローランも、WPPが誇る戦略的ビジョンと創造的卓越性を体現しています。WPPが次の成長段階へと進み、急速に変化する市場でクライアントが勝ち続けることを確実にする上で、彼らの総合的な専門知識は、重要な役割を果たして私をサポートしてくれると思います」とコメントしている。
