マーケターズ・ロード 元グーグル日本法人代表 村上憲郎 #01

Google日本事業を成長させた「徹底的に任せるマネジメント術」元グーグル村上憲郎

シェリル・サンドバーグの発言を遮った「Norio time」


 一方で、上司とのやりとりにも苦労が絶えませんでした。DECでの上司は、ほとんど外国人。31歳で英語を始めた私にとって、言葉の壁は想像以上に厚かったですね。

 グーグル時代も、私が仕事をともにするマネジメント層のほとんどが外国人でした。グローバルでの経営会議で、議論の状況が途中でわからなくなることもしばしば。そういう時は「Norio time(ノリオ タイム)」と叫んで議論を中断して、状況を整理させてもらっていました。

 「ちょっとストップ。賛成の人は誰? 反対の人は誰? よし、じゃあ会議再開」という具合です。

 当時グーグルのOnline Sales & Operations担当VPだった、現フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグは、いつもものすごい勢いで一気にワ―ッと喋る人なのですが、私が「Norio time(ノリオ タイム)」と叫んで遮ると、彼女が「またか」という顔で嘆いていたのを思い出します(笑)。



 直属の上司は、現ツイッター取締役会長のオミド・コーデスタニでした。オミドが日本法人について尋ねてくるときは1対1ですから、下手くそな英語でも一生懸命に耳を傾けてくれるので、どうにかなりました。

 そういう意味では、上司と1対1で話をする関係を築くことが、外資系企業で生き抜くポイントだったと言えるかもしれません。

 ※第2回 「元グーグルCEO エリック・シュミットが見初めたミスターAI」に続く
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