「広告維新伝」 広告人生43年とインターネット広告30年史

新連載予告:「業界人間ベム」こと横山隆治氏がインターネット広告史30年を振り返る

 

「インターネット広告元年」から30年の節目


 電通発表の「日本の広告費」で、インターネット広告費が2009年に新聞広告費を抜き、2019年にテレビ広告費を抜き、2021年に4マス(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)広告費合計を抜き、日本の広告市場のトップに君臨して久しい。

 そして2024年の総広告費は7兆6,730億円。2021年から4年連続で成長し、3年連続で過去最高を更新した。この市場全体の拡大も、インターネット広告が牽引し続けている。

 そんなインターネット広告が日本でスタートしたのは、アメリカでバナー広告が誕生した2年後、1996年のことだ。同年4月に国内初の検索サイトYahoo! JAPANが誕生、7月にバナー広告のサービスが提供開始された。

 つまり来る2026年は、インターネット広告が誕生して30年の節目の年と言える。これを記念して、アジェンダノートでは11月に新連載「広告維新伝」をスタートする。

 執筆者は、広告業界で40年以上活躍し、自身のブログで「業界人間ベム」として、マーケティングおよびデジタルマーケティングに関する知見を発信し続けてきた横山隆治氏だ。

 インターネット広告がまだ体系化されていなかった1996年に、インターネット広告会社「デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム」を起案し、同社の代表取締役副社長に就任。その後、ADKインタラクティブの事業立ち上げやトレンダーズ社外取締役を務めるなど、黎明期から日本のデジタルマーケティングを牽引し続けてきた、いわばインターネット広告の歴史の「生き証人」だ。
 
横山隆治氏
横山隆治事務所(シックス・サイト)代表
株式会社ベストインクラスプロデューサーズ 取締役・ファウンダー
トレンダーズ株式会社 社外取締役

1982年、青山学院大学文学部英米文学科卒。同年、旭通信社入社。1996年、インターネット広告のメディアレップ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムを起案設立。同社代表取締役副社長に就任。2001年、同社を上場。インターネットの黎明期からネット広告の普及、理論化、体系化に取り組む。2008年、ADKインタラクティブを設立。同社代表取締役社長に就任。2010年9月、デジタルコンサルティングパートナーズを主宰。企業のマーケティングメディアをPOEに再整理するトリプルメディアの考え方を日本に紹介。主な著書に『CMを科学する』(宣伝会議、2016年)、『新世代デジタルマーケティング』(インプレス、2015年)など。

 新連載「広告維新伝」では、インターネット広告史30年を含む広告業界の激動の半世紀を、現場の第一線で見つめ続けてきた横山隆治氏が綴る。マス広告の黄金期からインターネット広告の勃興、そしてAIがつくる新時代までを、「ネット広告事始め」篇~「横山青年立志」篇~「上場と闘争」篇~「知の継承」篇の大きく4篇(予定)に分けて振り返る。

 
「ネット広告事始め」篇 ―― インターネット広告の夜明け
「横山青年立志」篇 ―― アドパーソンの枠に収まらない横山隆治はどうつくられた?
「上場と闘争」篇 ―― 市場と戦ったレップの矜持
「知の継承」篇 ―― マーケティングはデジタル化するだけ
※構成は予告なく変更となる場合があります


 現在の広告界の礎を築いた伝説的人物たちとの間で交わされた会話や、急成長を遂げた業界内での熾烈な競争、試行錯誤の現場で生まれた数々のエピソードなど、広告の裏側と人間ドラマを鮮やかに描き出す。

 横山氏の43年の広告人生と、30年にわたるインターネット広告の歩みを通して、日本の広告の「始まり」と「進化」を追体験する試み。これからの業界をつくり上げていく現代のアドパーソン・マーケティングパーソンの仕事にも活きる学び・気づきに満ちた軌跡を辿る。第1回を、11月4日(火)に公開する。
 

執筆者・横山隆治氏のコメント


来る2026年は、私も代表者だった旧DAC(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム)の設立30周年になります。

1996年は日本のインターネット広告元年と言えます。私が携わってきたネット広告の30年と、その背景として82年からのアナログ広告屋史を書いてみてはということになりました。

お話をお受けしたのは、広告やマーケティングがAI時代に突入して激変するなか、ネット広告にゼロから携わった様々な体験、つまり今まで全くなかった仕組み、ビジネスにどう渡り合ったかをお話しすることで今後のヒントになればとのアジェンダノートさんのお誘いに応じました。

読み物として面白いものにもしようと思います。お読みいただけたら幸いです。

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