マーケターズ・ロード 足立光 #02
「常に、自分より1つか2つ上の役職の仕事をすべき」日本マクドナルドCMO足立光氏
常に、自分より上の役職の仕事をできるようにしておくべき
ローランド・ベルガーでは、プロジェクトマネージャーとしての業務に加えて、採用と広報も担当しました。なにしろ人が足りなかったので、言えば何でもやらせてもらえました。採用を担当すると、いろいろな人に会えるのがとても面白いのです。特にコンサルティング会社の求職者にはMBA人材が多いこともあり、日々多様なバックグラウンドの人と会えることに魅力を感じていました。
また広報は、「(コンサルティングの実例をメディアに出すことは基本できないのに)コンサルティング会社のPRは可能なのか?」という命題にチャレンジする実験のつもりで取り組みました。「この会社は、こういう領域に強い」という理想のイメージ・評判を設定して、そのためにはどういう記事をどういうメディアに露出させればいいか考え、企画を仕込んでいきます。
広報は、これまであまり力を入れていなかったこともあり、効果てき面。取り組みから1~2年ほど経ち、「ローランド・ベルガーは、この分野に強いですよね」と周囲から言われるようになる達成感を味わいました。PRの力を実感したこの経験は、現在の日本マクドナルドでの仕事にもつながっているように思います。
採用も広報も、「そこに課題があったから」というより、「やってみたかったから」という感覚に近いですね。両方の仕事とも、通常のプロジェクトに追加の業務ですが、やりたいと自ら希望して、任せてもらいました。仕事は格段に増えて、給与は変わらないのに(笑)。同時にいろんな種類の仕事をすると、経験値が加速度的に高まっていきます。
この「欲しい仕事は自ら取りに行く」精神は、P&G時代に養われたものです。「こんな仕事をしたい」と思っていることがあるのなら、主張しなければならない。主張し続ければ叶うかもしれないが、待っているだけでは永遠にチャンスは巡ってこないと教わったのです。
そして、チャンスを掴むためには、それなりの努力も不可欠です。