デジタルマーケティングで市場拡大を目指す #08

理想のWebマーケティングチームは、どうすれば実現できる?【ユーキャン 鳥羽渉】

前回の記事:
いま改めて問う「Webサイトのあるべき姿」、絶対に考えるべき4つのTIPS 【ユーキャン 鳥羽 渉】

Webマーケティングチームをどう構築するか

 現場マーケターがデジタルマーケティングの課題について考える連載8回目のテーマは「チームビルディング」です。

 自分がこれまで担当してきたユーキャンのWebマーケティングチームは、その役割として認知率の向上、競合優位情報などの訴求によるサイト誘引、来訪後のリード獲得、そこから本申込みへの転換促進など、広い範囲を担っています。

 他にデジタルを中心とした施策展開では、その役割の広範さだけではなく、各施策の専門化、高度化に対応するため、チームとしては、広告を中心とした集客部門と、サイト来訪後のナーチャリングから獲得までを担う、自社コンテンツ制作部門に二分し、運用を進めていました。
 
体制イメージ
 マーケティングの機能や役割は、業種業態によって様々であり、上記のような役割分担はその一例と考えますが、同様の体制をとる会社も多いのではないでしょうか。

 ただ実際の運用は、集客と獲得という大きな枠組みだけで済むわけはなく、その中で例えば集客であれば認知系広告、運用系広告、コンテンツ運用など機能ごとに担当を分けて日々の運用を行ってきました。

 もちろん各機能において担当が1名ということはなく、一定の冗長化は行なっており、機能自体の施策は滞りなく進行していますが、マーケティング部門全体としては、いくつかの問題が生じていました。
 

機能別チームの問題点

 今から取り上げる問題点は、ECで多数の商品を展開し、かつ運用系広告などに一定の予算を投下している場合の事例かもしれませんが、参考としてご覧いただければと思います。
 

①    主要商品への施策集中

 忙しい業務の中で一定の成果を上げるためには、売上件数が多く、単価も高い主要商品に施策が偏ることは否めません。一定レベルまでは効率的な運用とも言えますが、度が過ぎるとそれ以外の商品の可能性を阻害している、という状況にもなり得ます。
 

②    機能間のコミュニケーション不足

 これはチームと言うよりもマネジメントの問題ですが、機能別のチームにそれぞれ目標値を設定すると、その達成に注力するため“忙しく”なります。結果として周囲との連携、特に集客部門とコンテンツ制作部門のように機能も技術も異なるチーム間では情報共有が難しい状況となります。
 

③    「木を見て森を見ず」状況

 機能別の成果に注力し、情報共有が不足する状況が帰結するところは、全体成果よりも個別の成果が重視される「木を見て森を見ず」状態です。実際のところ機能別チームでの目標は達成しながら、全体としてのマーケティング目標には至らなかったため、難しい評価を強いられたことがありました。

 機能別チームの主な問題点は以上です。これらの問題は特定企業の事例ですが、思い当たる点がある方も多いのではないでしょうか。

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