データ・ドリブン・マーケティングの実践に向けて #03
生活者の関与が高まる「瞬間(モーメント)」の効果的な抽出方法【電通 西田悟史】
モーメントを抽出するためには、SNSが有効
【モーメントの抽出方法】
モーメントの抽出には、検索データやSNS(ソーシャルメディア)の書込データが活用可能です。例えば、特定の商品に関する検索や書込がいつ行われることが多いかを分析することで、モーメントの候補となる「時間」を抽出することができます。
次の図③は、商品Aの検索・書込の曜日・時間帯を分析した結果です。曜日別に見ると、週末よりも平日の方が商品に対する関与が高い傾向が見られます。また時間帯別に見ると、朝8時頃に関与が非常に高くなっています。商品Aでは「平日朝8時」というモーメントの候補を抽出することができました。
一方、同ジャンルの商品Bの検索・書込の曜日・時間帯を分析した結果が図④となります。商品Aとは異なり、平日よりも土日の方が商品に対する関与が高く、朝時間帯よりも夜時間帯の方が商品に対する関与が高い傾向が見られます。商品Bでは「週末の夜」というモーメントの候補を抽出することが出来ました。
検索データやSNS(ソーシャルメディア)の書込データをテキストマイニングなどの手法を用いて分析することによって、「時間」のみならず「場面」「場所」「気分」といったモーメントの候補を抽出することもできます。図⑤は商品CのSNS(ソーシャルメディア)の書込データの分析結果です。商品Cでは「通勤時」や「面接」といったモーメントを抽出することができました。
Small PDCAでは、特定のオーディエンスに対するデジタル広告配信に加えて、上記分析によって抽出された「平日の朝8時」「週末の夜」「通勤時」「面接」といったモーメントを狙ったデジタル広告配信を行うことによって、生活者が商品に関与が高まるタイミングを効率的に捉えることが可能となります。