新・企業研究 #03

クリエイティブやコンサルの先へ。レイ・イナモトが描く、これからのクリエイティビティ

「コンサル」と「クリエイティブ」の融合は、うまくいく?


——高宮さんと間澤さんは、どのように思われましたか。

高宮 最初はお見合いみたいに会ったのですが(笑)、コンサルティング出身者と一緒に仕事をするのは面白そうだし、上手くいきそうだなと思いました。

単純にクリエイティブだけの会社はたくさんありますし、レイさんは以前から「広告業界にずっといるつもりはない」と言っていたのですが、僕もそれに近い気持ちを感じていたんです。



間澤 私はアクセンチュアで国内外の大企業のコーポレートストラテジーの立案を担当していました。2人といろいろと話をして肌感覚が合うなと感じましたし、クリエイティブの世界に飛び込んだ方がいいという直感が働いたんです。



——グローバルの潮流から見ても、クリエイティブブティックが大手コンサルティング会社の傘下に入るケースが増えています。コンサルティングとクリエイティブが融合すると、うまくいくということでしょうか。

イナモト たしかに、ひと昔前まではWPPがAKQAを傘下に加えるなど、グローバルエージェンシーによる買収でしたが、ここ数年はアクセンチュアはじめコンサルティング会社による買収が増えています。

ひとつ言えることは、従来のクリエイティブという定義がすごく狭かったということです。これから大事になるのは、“クリエイティビティ”であって、それはモノとしてのクリエイティブではなく、ビジネスに影響を与える考え方なのだと思います。

アップルのスティーブ・ジョブズやユニクロの柳井正社長など、クリエイターではなくてもクリエイティビティに長けた人が大勢いますよね。その観点から考えても、ビジネスコンサルティングからきた間澤と、クリエイティブからきた高宮を融合することで新しいビジネスをつくったり、動かしたりできるんじゃないかと思っています。



——そうなると、I&COと企業側で向き合う担当者も、これまでのマーケティング部門や宣伝部門ではなくなるのでしょうか。

イナモト そうですね、最初に会社を立ち上げたときは、お問い合わせをいただくのは現場のマーケターからということもあったのですが、早い段階で経営者を紹介してもらうようにしています。

やはり企業の全体的な方向性に影響を与えていくためには、経営者と話をしないとうまくいかないケースが多いんです。マーケティングであればCMO、あとはCFOやCTO、CIOと横断して話をすることもあります。運がいいだけかもしれませんが、いま取り組んでいる案件はすべて経営レベルです。

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