新・企業研究 #04

アイデアからクレバーな仕掛けが評価される時代へ。レイ・イナモトが語る「日本の強みと弱み」

日本のクリエイターに求められるのは、世界への意識


——イナモトさんは以前、日本のクリエイターは世界的に見ても優秀だとお話されていましたが、現代の日本のクリエイティブの強みについて、どのようにお考えですか。

イナモト デザインの領域で、日本は綺麗なものをきちんとつくるのは上手ですよね。それはデジタルの世界にも通用します。

ただ、日本には自己主張をしない文化があります。ある意味、それが美意識でもありますが、足を引っ張っているようにも思うんです。それではもったいないので、日本のメンバーと一緒に日本という国のブランディングもしていけたらと思っています。



——クリエイターとして自己主張をしたほうが良いのでしょうか。

イナモト 「自己主張する、しない」とは別の軸ですね。もっと日本のクリエイターは、世界を意識した方が良いと思います。日本市場がそこそこ大きいため、日本で売れたり、有名になったりすると、これでいいんだという気持ちになるんです。でも、それが本当に世界に通用するか、常に意識するべきだと思います。

——日本のクリエイティビティについて、間澤さんと高宮さんはどのようにお考えですか。
 
間澤 経営層にとって、クリエイティビティがより重要な時代になっていると思います。経営戦略や財務戦略をつくることは、経験を積んだコンサルタントがフレームワークを使えば、ある程度は納得感のある答えに辿り着きます。ただ、それはロジカルであるがゆえに、経営者の創造の域を超えません。

だからこそ、サービスを提供する企業の経営者や従業員が心の底からワクワクするようなこと、サービスを利用する顧客が楽しいと思えることを考えるクリエイティビティが重要だと思います。そこに日本発のビジネスインベンションファームである我々がチャレンジすべきですし、ポテンシャルのある日本の企業の皆さまに火をつけるきっかけになりたいと思っています。



高宮 越境していける人は、どんどん仕事が増えていきますよね。だから、自分の領域を自分で決めてしまわないほうがチャンスはあると考えています。

僕も前職のPARTYでは事業開発など、広告だけではないことにも挑戦していました。そこで感じたのは、クリエイターが思っている以上に、自分たちの力を発揮できる場が多いということ。「I&CO Tokyo」がそれを先導していく会社になれればと考えています。


 

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