顧客基点の「ソーシャルメディア戦略」 #05

企業に必要なのは、河野大臣なみの「エゴサーチ力」

“聴く”からはじめる顧客との対話


 みなさんは「アクティブサポート」という言葉をご存じだろうか。

 決して新しい概念ではなく、2010年前後の企業ソーシャルメディア黎明期から、ソーシャルメディア活用のひとつの手法として積極的に取り組む企業も多かった。いまさら何をとおっしゃる方もいるだろうが、最近、この手法を知らない若い運用担当者が多いと感じているので、改めてアクティブサポートについて触れてみたい。

 アクティブサポートを語る際、何をおいてもこのアカウントという存在がある。日本でのアクティブサポートの先駆者、ソフトバンクのカスタマーサポートTwitterアカウント、@SB_Care だ。

 アクティブサポートをご存知でない方は @SB_Care のアカウントを開き、「ツイートと返信」のタイムラインを見ていただきたい。
 
ソフトバンク カスタマーサービス担当 公式Twitterより

 上記のように、エゴサーチで発見した自社の商品やサービスについて困っている顧客に、企業の公式アカウントから手を差し伸べ、解決に導く。受け身のサポートではなく、企業からの能動的なサポート。これをアクティブサポートと呼ぶ。

 ソフトバンクでは2010年からカスタマーサポートのひとつの業務としてアクティブサポートを開始、料金や携帯の使い方などの疑問に対してTwitterで声がけをして、顧客の疑問解決に努めている。さらには、店舗での接客の不満の声のようなネガティブなツイートに対しても目をつぶることなく積極的に対峙し、状況把握と顧客の不満緩和を試みている。

 顧客と直接対話ができるソーシャルメディアならではの特性に焦点を当てる、新しい形の顧客サポートを10年弱に渡って実現しているSB Careの運用スタイルは、学びが多く、大いに参考になる実例である。

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