顧客基点の「ソーシャルメディア戦略」 #06

災害時、企業はソーシャルメディアで何を発信するべきか【風間公太】

情報発信の前には、まずひと呼吸


 しかしながら、発信する情報の信ぴょう性や伝え方にも、細心の注意をはらいたい。

 筆者は2011年の東日本大震災の際、コミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之(さとなお)さんが立ち上げた一般社団法人「助けあいジャパン」にソーシャルメディア担当として参画し、震災関連の情報を日々発信し続けた。

 個人がメディアとして情報発信する時代が到来したことで、ある一面では正確さに欠ける情報の投稿/拡散により、「正しい情報にたどり着けない」課題が頻発するようになった。

 筆者も含め、他企業のソーシャルメディア担当の有志3名で編成されていた助けあいジャパンSNSチームでは、個人の発信を抑制するのではなく、むしろ積極的な情報発信の後押しをするために、災害時のソーシャルメディアでの情報発信について心がけたい項目を「ソーシャルメディア避難訓練」と題して編集したので、ここにその主な内容を記したい。
 
助けあいジャパンWebサイトより(現在は非公開)

 決して突飛ではない項目ばかりだが、災害時には人々の感情も高ぶり、冷静な判断が出来なくなってしまう場合もある。善意の気持ちから投稿/拡散した情報が、実は正しいものでは無かったということもあり得るだろう。

 人間が運用する企業アカウントも同様なので、災害時に備え、情報発信をする立場としての心がまえとして留めていただけると幸いだ。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録