顧客基点の「ソーシャルメディア戦略」 #07
「撮影禁止」ばかりに、していませんか? SNSで語ってもらう準備をしよう
ソーシャルメディア 7:2:1の法則
これらの事例を見て、「なんだ、その程度のことか」と思われるかもしれないが、“その程度のこと”の再点検の積み重ねが、より良い結果を導いてくれるのも事実だ。
リアルの場ではない“その程度のこと”としては、OGPの設定漏れも話題化を鈍化させてしまう致命的なあるあるの一つで、これもまた「語ってもらう」ための大事な一因だ。
せっかく魅力的な写真をメイン画像として設置しているのに、ブランドロゴなどを共通のOGPとして設定していないだろうか。
公式アカウントからの投稿ならば任意の画像を使えば良いが、世の中の方たちは、URLを貼る、ソーシャルボタンを押下する…くらいの操作しかやってくれない。まだまだOGP未設定の残念なWebサイトも多く見かけるので、SNS運用担当者のみなさんも自社のWebサイトの構造を改めて確認いただきたい。
もちろん、「どうぞSNSで投稿してください」と声高に伝えなくても、自然発生的に話題になる場合もある。記憶に新しいものでは、りょかちさんが取り上げていた「TOUCH-AND-GO COFFEE」や、企画担当のご本人である井上さんによる解説も必読な「クレヨンしんちゃん×Oisix」などは、コンテンツの素晴らしさが必然的に顧客のSNS投稿を促した事例だと言える。
ものすごく当たり前のことを申し上げるが、微妙なコンテンツは、SNS内でも微妙に終わる。語ってもらう仕掛けづくりに奮闘したとしても、コンテンツ自体に力が無ければ、そう簡単には人の感情は動かせない。
これはSNSの投稿を考える際も同様で、筆者はこれを「ソーシャルメディア 7:2:1の法則」と呼び、「コンテンツ:タイミング:技術=7:2:1」だと定義している。SNSで高い反応を得るための条件を分解すると、投稿タイミング(時間的なタイミングよりもSNS内の潮流を捉えているかが重要)、技術(ハッシュタグや文体な)なども最低限気遣いたい要素ではあるが、小手先の技術論に気を取られすぎず、何よりもコンテンツの大切さを忘れてはならない。
しかしながら、そこに最良のコンテンツが存在するならば、それを多くの方たちに「語ってもらう」ための準備は、SNS担当者として欠かさず取り組んでほしい。エゴサーチをして自社への言及について多い少ないとその数を客観的に追いかけるだけでなく、「語ってもらう」ための少しの工夫が、みなさんの企業に関する投稿を増加させる起爆剤になってくれるだろう。
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