顧客基点の「ソーシャルメディア戦略」 #10

SNS無期限禁止は、お客さんとの対話を遮断する表明である

完全なる解決を追求しすぎない顧客対応


 顧客と企業の対話のハードルが低くなったとは言え、すべての質問に完璧に、また、どんなときにも即座に返答するべきだと考える必要は無い。

 例えば「株価が下がり続けているから何とかしろ」といった発言に返答はいらない(企業からの返答で何かを解決したり満足させる困難だ)。

 さらに、根拠や原因が不明な罵詈雑言。どんな投稿に対してもネガティブな発言を繰り返しているアカウント。これもスルーでOKだ。

 運用担当者としての経験が短い方は、普段の生活では触れることが無いキツい表現や侮蔑を受けて心が折れそうになる場面に遭遇するかもしれないが、決してそれを自らの否が原因だと思い悩む必要は無い。

 このような声が届いた際は、まずそのアカウントの他の発言を見てみよう。こういう方は、自社に対してだけでなく、他社へも同様の発言を繰り返していたりすることも多い。運用側としては、はなはだ迷惑な話だが、タイムラインから人となりを知ることができるのもSNSの特性なので、返信するべきかそうでないかの判断基準のひとつにしてもらいたい。

 顧客サポートを目的にしたアカウントで無いならば、アカウント紹介欄でその姿勢を述べた上、運用しながら返信可否の感覚を整えていけば良いだろう。

 また、一人で運用を担当している場合は、カスタマーサポートや広報との連携も重要だ。



 上記はDM(ダイレクトメッセージ)で届いた質問だが、発生した事象が商品に起因するのか、顧客の環境に起因するのかの判断は、この質問だけでは難しい。


 質問内容によっては返答に時間を要するものもあり、運用担当者の時間的制約もあるだろうから、SNSだけで100%の解決を求めるのではなく、カスタマーサポートの部署が運営する窓口への誘導など、顧客にとって解決の最短距離になるような案内をすることも限られた人員でSNSを運用する際の顧客対応方法のひとつである。

 あわせて、個人情報のやり取りについても細心の注意を払いたい。仕様としてはDMを使えば第三者にその内容が閲覧されることは無いが、企業側が慎重な運用をしていたとしても、顧客側がうっかり通常の投稿として個人情報を発信してしまうことも考えられる。

 そのため、SNSでの返信ポリシーとしてどんな内容までを返信の対象にするのか、ここも関連部署と連携の上判断の必要がある。

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