Adobe Summit 2020 レポート #01Sponsored
【奥谷孝司 解説】Adobe Summitに見るNew Normalな世界の顧客体験
4. なぜDAMが重要なのか?Headless Commerceへの対応
よりオムニチャネルショッピング体験が重要になってくる中で、複数のタッチポイント⽤のコンテンツ管理、配信する⽅法としてHeadless Commerce(ヘッドレスコマース)が注⽬されている。ヘッドレスコマースとは、シングルバックエンドでお客さまとのタッチポイントの全てを提供することを意味し、どちらかと言うと開発者側の言葉であろう。
今までのインターネット、テクノロジーの進化を考えるとまずはサイロ型に店舗、ネットストア、モバイルサイト、モバイルアプリ、IoTデバイス、サイネージ、Kiosk端末のシステム管理をしてきたと思う。それぞれごとのヘッド(タッチポイント)ごとにシステム開発をしてきたわけだが、このやり方にはそろそろ限界が来ている。
先程のDAMと同様、コマースも一元管理による効率化が求められる。このあたりの事例としては一昨年からアドビ傘下となったMagento Commerceの話が興味深い。D2CブランドのAllBirdsの中国進出のケースが今回のSummitで紹介されていたが、この内容はヘッドレスコマースの初歩編として参考になる。
Adobe Experience ManagerとMagento Commerceをシームレスに連携することで、単なるEコマースアプリだけではなく、POSアプリ、商品情報を含むWebランディングページ、In Storeアプリなどを実装することができる。以下のような構成図(図3参照)を実現できる時代に入ってきたわけだ。
「今すぐに対応できないとダメ」とまでは言わないが、今後のシステム設計をサイロ型に進めていくことによるリスクは高まる一方だ。特に現在のような状況で、ただECの売上が良いことにあぐらをかいていないで、今まで店頭で提供してきた価値を補えるだけの体験設計がオンラインできるように、非対面でもご満足いただけるお買物体験を提供するためのバックエンドの整備の推進が求められていることは明記しておきたい。