デジマ女子部 スキルアップしたい女子デジタルマーケター大集合! #06

創業2年で会員15万人突破。 D2Cヘアケア「MEDULLA」はブランド体験をどう設計したのか

 

新規ユーザーはアフィリエイトで獲得


 新規顧客の獲得経路は、ほとんどがアフィリエイトからだ。代表の深山氏がデジタルマーケティングに精通し、アフィリエイトも重要視している領域だったという経緯もあるが、髪に関する悩みのキーワード検索からブランドを知ったり、パーソナライズという新しい商品形態に興味を持ってもらいやすかったり、手段と訴求がマッチしたという。CPA(顧客獲得単価)は高めだが、継続してもらえれば回収は容易。横塚氏は、「アフィリエイトをやるかやらないかで、顧客の母数が全然違ってきます」と重要性を強調した。

 アフィリエイトについては、西井氏も以前からマーケターに「実際に自分でやってみてほしい」と勧めている。今回も「実は、伸びている企業はアフィリエイトをしっかり実施している。SEO対策だけでなく、アフィリエイターのファンを増やすことも大事」と話した。
 
シンクロ オイシックス・ラ・大地 西井敏恭氏
 

リアル店舗を展開するのは、売上や認知のためじゃない


 MEDULLAは誕生して2年のD2Cブランドだが、オンラインだけでなくリアルでの展開も積極的に行っている。ローンチ直後は5~10人規模のイベントを多数開催し、顧客の生の声をヒアリングして商品開発に反映していた。

 その後、福岡や横浜でポップアップストアを開催し、現在では有楽町マルイと渋谷ヒカリエに常設店を構えている。また、美容室に商品を無料で提供し、来店客がスマホでMEDULLAを注文したら、美容師にマージンが入る取り組みも行っている。
 
有楽町マルイ店

 横塚氏は、イベントで直接顧客に会ったことで「最初は、顧客像として表参道や恵比寿にいるような美容への感度が高い女性を思い浮かべていましたが、実際はパッと見た印象に派手さはないけど、実は美容にこだわりのある人や、おしゃれになりたいけど自分では選びきれないという想いを抱えている人に需要があると発見しました。そこからベンチマークを見直したんです」と振り返った。

 これを聞いた西井氏も、「一般的に高い価格の商品を販売すると、対象ユーザーは富裕層と決めつけてしまうことが多いが、実際にはそうではなく、価値観で購入している場合が多い。ヘアケアに7000円弱購入している方が、おしゃれ感度の高い人ばかりでない、というのはとてもおもしろく、データだけでは見えないところも、直接お客さんに会って話を聞くと早かったりするので、まずは会うことが非常に大事」と話した。

 D2Cブランドで初期から店舗を仕掛ける企業は珍しいが、常設店は第一に売上や認知を上げることを目的としているわけではない。MEDULLAは認知しているが購入には至っていないオンラインで取りこぼしている層を、買い物のついでに寄ってもらい、獲得することが目的だ。

 LOFTにも商品を卸しているが、「リアルの棚を顧客に接触するチャネルとして捉えて、買っていただいた方にオンラインに戻ってもらう戦略を設けている」と、横塚氏は語る。また、実店舗を持つことでブランドの信用度が上がるほか、ブランドの形成にも寄与するという。

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