デジマ女子部 スキルアップしたい女子デジタルマーケター大集合! #06

創業2年で会員15万人突破。 D2Cヘアケア「MEDULLA」はブランド体験をどう設計したのか

 

同梱物で、オフラインの体験も設計


 アフィリエイトや店舗に加え、「さまざまなチャネルでの体験をすごく大事にしている」と横塚氏。LINE公式アカウントやInstagramの運用、なかでも力を入れているのは届ける荷物に入れる同梱物だ。

 毎回商品に同梱するのはヘアスタイリストからのメッセージが書かれたカード。一人ひとりに異なる内容を届け、本当に自分だけの商品が届いている感覚を持ってもらう狙いがある。また、初めて商品を届ける際にはブランドブックを同梱し、商品に含まれる成分も良いものであることをアピールしている。

 それに加え、毎月1回8ページにわたる会報誌も発行しているという。CRMを担当する萩原氏は、「毎回異なる同梱物が入っているだけで、自分で商品をカスタマイズできること以外にも、新しさを感じてもらえる」と話す。紙は高コストと思われがちだが、西井氏は「ユーザー体験という視点で言えば、Webだけではない体験も大事。よく設計されている」と評価した。
 
Sparty 萩原愛梨氏

 最後に横塚氏は、「商品と出会う場所がネットになってきたからこそ、おもしろい体験、楽しい体験、心に残るような体験をオンラインやオフライン全部を通じてつくっていき、自分に合う商品と出会っていただくということが、私たちの強み」とまとめた。

 西井氏は「デジタルトランスフォーメーションと言われるものの、オンライン上の体験はどうしても味気ないと言われがち。でも本当はそうではなくて、オフラインで商品そのものの良さをどう体感してもらうかなど、オフライン・オンラインのすべてを合わせた体験が設計されていることが大事。今日、話を聞いて改めてそのことを考えさせられました」と述べた。
 

コロナによる自粛で、オンラインの利便性に気づいた人は多い


 終盤には、セミナーの視聴者からの質問に答える時間が儲けられ、西井氏や横塚氏、萩原氏が回答した。

 「ユーザー体験(UX)を設計する際に重視しているKPIを教えてほしい」という質問に対し、萩原氏は「フィードバックをしてくれているかどうかは、絶対に見るようにしています」と回答。MEDULLAでは、フィードバックをした人のほとんどが継続するという。それを受けて西井氏は、「ファッションのサブスクをしている会社が同様のことを言っていました。フィードバックしてくれているお客さんの方がLTVが高くなるから、フィードバック率をいかに高めるかに取り組んでいる、と。ずっとフィードバックをしてくれるということは、次回の期待値もすごく高いということなのでしょう」と述べた。

 そのほか、「新型コロナウィルスによる自粛状態の今、どのようにマーケティングを行うべきか」といった質問も。これには西井氏が、「使わざるを得ないからとデジタルを使ってみたら、意外と便利なことに気づいたという人は多いと思う。そういったユーザーが今後定着してくると思うので、デジタルが進んでいない企業は少し考え方を変えてマーケティングをしなければいけないのでは」と回答した。
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