デジマ女子部 スキルアップしたい女子デジタルマーケター大集合! #07

コロナ禍のプロントの戦略。店舗とファンをアプリでつなぎ、送客アップ

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 デジタルマーケティングに携わる女性マーケターの勉強と交流の場「デジマ女子部」。2カ月に1回、顧問を務めるマーケターの西井敏恭氏(シンクロ 代表取締役、オイシックス・ラ・大地 執行役員)がゲストの女性マーケターと対談するセミナーを開いている。
 
 前回に引き続き、オンライン開催となった今回のテーマは、「ファンと強くつながる!プロントのアプリマーケティング戦略」。
 
 コロナ禍におけるオンライン上の接点として注目されるアプリについて、実際にアプリを活用してファンとのコミュニケーションを行うプロントコーポレーション 営業本部 営業企画部 営業企画グループ リーダー 矢野純子氏と、アプリのプラットフォームを提供するヤプリ オフラインマーケティング&PR部 原田千亜紀氏の2人が取り組みを紹介した。
 

オンラインとオフラインをつなぐアプリ活用


 新型コロナウイルスの感染拡大で、企業が顧客とリアルの接点を持つ機会が減少した今、ウィズコロナ、アフターコロナと呼ばれる時代を見据え、オンライン上でいかに顧客とコミュニケーションをとるかが重要になっている。
 
 その手段のひとつとして、アプリを検討する企業は多い。西井氏は「これまでデジマ女子部では、Webサイトを中心としたマーケティングの話が多く、アプリでファンとエンゲージメントを築くというテーマは聞きたかった」と期待を寄せた。
 
 ヤプリが提供するアプリプラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」は、プログラミング不要で自社アプリの開発・運用・分析が可能で、店舗やECを持つ小売や流通の販促活動に強みを持つ。ヤプリの原田千亜紀氏は、アプリマーケティングでよく使われている機能として、「プッシュ通知」「スタンプカード機能」を紹介する。
 
 プッシュ通知機能にはいくつか種類があるが、原田氏はその中からユーザーの定着化に有効な機能として「オートプッシュ機能」を紹介。これは、アプリダウンロード後の初回起動から、数日かけて使い方やブランド情報を段階的にプッシュ通知する機能で、平均的なアプリの翌日再訪率が20~50%程度のところ、当機能を使っているアプリは50%を超えることもある。
 
 「特に、ダウンロードして3日以内にプッシュ通知を送るアプリと、送らないアプリでは、その後のユーザーの定着率に大きな差が見られた」と原田氏。このポイントはユーザーが通知を開きたくなるコンテンツを用意すること。カスタマージャーニーに沿って購入まで促すというよりも、その後、どれだけアクティブに活用してもらえるかを意識することが大事だという。

 もう一方のスタンプカード機能は、条件に応じてユーザーにスタンプを付与するもので、アイデア次第で企画にさまざまな工夫ができる。タカラトミーでは、アプリへのログインで1日1個のスタンプがもらえる施策で再訪を促進。その結果、ログインスタンプの参加率は全体の30%と高く、45日間でスタンプ30個を達成した毎日ログインしたユーザーが10%いた。



 こうした施策が有効なのは、トップページに常に新しい情報が載っているなど、頻繁に更新されるアプリだ。「ログインしてもらえばいいわけではなく、回遊してもらわなければ意味がない。相性がいいのは、コーディネートが毎日投稿できるアパレルや新商品を頻繁に発売したり、キャンペーンを多く打ったりする企業」(原田氏)。

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