日本企業に必要なのはデジタル人材ではなく、X人材だ!トランスフォーメーション人材養成講座 #01
DXブームに惑わされるな。日本に必要なのは、DではなくXだ
トランスフォーメーション人材が持つべき「3要件」
日本企業の多くは、継続的な改善が得意なこともあり、「顧客が変わる」「商品・サービスが変わる」「何より長期雇用ありきの人事制度の中で、社員が入れ替わる」というトランスフォーメーションを邁進することが不得手です。
この継続的な改善が得意で、長期雇用という決して変革向きではない日本企業が変わるためには、次の3つの要素が必須です。
1.Xマインド
2.Xリード組織
3.Xプログラムマネジメント
このどれか1つが欠けても、トランスフォーメーションは絶対に達成されません(もっと言えば、そもそもスタート地点にすら立てません)。
「Xマインド」とは、まず何よりも経営リーダー層の「本気で変わりたい」という強烈な意識のことです。ステークホルダーからのプレッシャーから焦って、何かDX的な取り組みに手を出しておかなければ、という表面的な危機感とは次元が異なります。
また、日本企業の場合、実は経営トップはしっかりと変革マインドを持っているのに、その周りを固める経営役員や中間管理職の思惑にバラつきが大きく、変革の推進パワーを削っているように見えます。
「Xリード組織」は、「未来へ向けて、必ず変わるのだ」という強い意識を受けて、具体的にトランスフォーメーションを主導していく組織です。もうご理解いただいていると思いますが、トランスフォーメーションとは、マーケティングやシステム、新規事業部署の仕事ではなく、会社の未来を運命づける全社経営のトップアジェンダです。
経営トップが本気であれば、トランスフォーメーションを主導する組織が経営直下に置かれることが自然であり(そして現状の場合、この組織の長がCDOになる)、事業部門やシステム部門の片隅にDX室が置かれる時点で、DXごっこでしかないわけです。