ZUKAN MUSEUM GINZA

『小学館の図鑑NEO』の世界をリアルに再現、銀座に“図鑑に飛び込む”体験型デジタルミュージアムがオープン

 

銀座の中心にできた大人も楽しめるアミューズメント


北井 世の中にある多くのインタラクティブ作品は、人が触れたら反応を返す、近寄ったら近づいてくれるといった“ハッピーな体験”を提供するものが多いです。一方で、「ZUKAN MUSEUM GINZA」は、人が近づくと生き物は逃げます。この「逃げる」ことへの議論は何度も重ねられましたが、それこそが自然界のそのままの状態なので、「図鑑」である以上は嘘をつけません。脚色もしてはいけないという結論から、このような設計にしました。

図鑑の中に飛び込んで、「自分」という存在に生き物が気づいて双方がアクションを起こす。動物の反応や動作を楽しみながら見て、その接し方を自分で学べる施設になっています。実際に会場で見ていただきたいのは、生き物の逃げ方や動作一つひとつにこだわりがあるという点です。

九里 通常このような人を感知するセンサーは、何かを退治することや捕獲してポイントを集めるために使うことを目的とします。しかし今回は、動きを少なくさせることにセンサーを活用しています。「静かに見てください!」という新しい視点でのセンサーの使い方が斬新だと思っています。
    
シアマン(フクロテナガザル)の動き
    
北井 小学校5年生のお子さんが体験してくれた際に聞いてみたのですが、生き物が逃げるということを、ものすごく自然な反応だと感じたそうです。はじめて遭遇した時は、逃げるのが当たり前という自然界の摂理を再現できていて、我われも納得できる作品になりました。

九里 子どもが熱狂する確信はあったが、決して子ども向けの施設をつくったつもりはありません。巨大テーマパークと同じように、子どもも大人も楽しめる空間を、3世代が訪れるエリアである銀座で実現したかったんです。開催場所である東急プラザ銀座さんも、「3世代が楽しめる体験型施設」の展開を模索しておられました。

北井 世界観だけでなく体験自体も大人が楽しめることが重要な要素でした。ターゲットを広げると内容がぼやけてしまいがちですが、それを濃厚にしたまま大人にも子どもにも刺さることは譲れないポイントだったんです。

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