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博報堂・Meta(旧Facebook)のクリエイターに聞く、クライアントの課題感の大きな変化と広告コミュニケーションでのダイバーシティとは?
価値観や概念などが多様化する今、画一的なメッセージは共感されない
――DE&Iの具体的な取り組みについて、特にクリエイティブにどのような変化が起きているのか教えてください。肥塚 ヘアケアブランドのユニリーバ「LUX」は、1980年代から日本国内でテレビCMを打ち、ハリウッド女優を起用することで女性が憧れる美しさを発信し続けてきたブランドです。ところが、生活者の美しさの概念や価値観が多様化している今、画一的な美しさを発信し続けても共感してもらえないという課題感から、若い世代にも良いと思ってもらえるようにリブランディングをしようと踏み切ったのです。
そこで現在は、勇気を持って踏み出している人こそが美しいとのメッセージを発信すべく、「BRAVE HAIR」と名付けたキャンペーンを行っています。その中で、自分の美しさを体現されているモデルやアーティストなどと組んで、それぞれの思う美しさは何かを語り合うライブイベントをInstagramで開催したところ、ポジティブな反応がありました。
村山 私と肥塚が関わっている業務では、ユニ・チャームの生理用品ブランド「ソフィ」の「#NoBagForMe PROJECT」があります。社会における生理のタブーを解きほぐそうと、女性が自分自身の体について気兼ねなく話せる社会の実現を目指して活動する企画です。
もともとはクリエイターの女性5人をプロジェクトメンバーに迎えて始めたのですが、女性の体の不調は個人ではなく社会で考えるテーマですし、男性にも知ってもらうべきトピックだと考えて、2020年以降は男性にも入ってもらいました。そうしたアプローチが少しずつ効果をもたらし、同社が開発した「みんなの生理研修」という企業向けの性教育プログラムに男性が参加するというケースも起きています。
博報堂が手がけた、グルーミングブランド「Schick」の「#BodyHairPositive」キャンペーンも紹介させてください。「毛が生えることは自然なこと。そして、なくしたい毛と残したい毛は部位によってちがう。ケアしたいときと、そのままにしておきたいときも、気分によって変わるから、私らしくあることが、美しさ」という考えで、”毛のあり方の多様性を提案しています。
特に若い世代の女の子たちにも、毛がある状態をかわいいと思ってもらえるような、陽に透けたうぶ毛の美しいビジュアルです。青山テルマさん、井上さくらさん、西内まりやさんが体毛について話している様子が、Instagramのフィードでもポジティブな反応があり、ハッシュタグで投稿してくれる人も増えました。
藤田 ユニリーバのトータルビューティーケアブランド「Dove」がブラジルで展開した「Show Us」というInstagramキャンペーンは、プラットフォームを多面的に使って共感を広げ、多くのビジネス指標を押し上げた良い例です。まず、ストーリーズ広告に投票ステッカーをつけるなど、画一的な美に対するオーディエンスの声を集め、それを即座にキャンペーン内容に反映していき、認知を獲得しました。さらに、人々にこの問題へのアクションをとってもらうための仕掛けとして、顔にエフェクトをかけず、ありのままの美を映し出すオリジナルのARフィルターを制作し、社会を巻き込んだ大きなムーブメントを生み出しました。
――今後、DE&Iへの注目度が集まり、企業が消費者に届けるやメッセージも変化していくと思います。広告クリエイティブ制作やコミュニケーションに取り組む企業に対してのメッセージをお願いします。
村山 まだまだ日進月歩の領域でメディア環境も変わり続ける中、私たちも日々、手探りで企画・制作しています。その上で、博報堂でも少しずつ手応えを得られるような事例が蓄積してきているので、企業コミュニケーションを通して新しい世の中をつくりたいと考えていらっしゃる方は、ぜひご相談いただけるとうれしいです。
肥塚 目に見える世界をちょっとでも優しくしていきたいと思っているので、そういう感覚を持っている方とご一緒できると面白そうだなと思っています。
藤田 メッセージの質やオーディエンスとの距離を考えると、InstagramはブランドとDE&Iを絡めたコミュニケーションにも適したプラットフォームです。将来に向けてブランドをどうしていくか、そのビジョンを実践する場として適していると思います。
また、私が所属するMetaのCreative Shopという部署は世界各国にあるため、知見がものすごくたまっています。日本でも成功事例がどんどん出始めているので、大きくDE&Iで打ち出すようなキャンペーンはもちろん、通常のキャンペーンにその要素を取り入れる導入としてのノウハウも持っていますので、ぜひご一緒しましょう。
好きと欲しいをつくるInstagramのパワー
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