デジタルマーケティングで市場拡大を目指す #02
データへの過信は禁物、広告効果測定への向き合い方【ユーキャン 鳥羽 渉】
AIを活用したアトリビューション分析
現状では、デジタルに限定したソリューションですが、CVに至った経路をAIが分析し、広告投資配分を最適化する試みが始まっています。分析できるのは、広告投資だけではありません。自社サイト来訪後の閲覧状況から購入までの経路を分析し、よりCVに導ける経路設計にも活用できます。
当社では双方とも検証レベルですが、それぞれ優位な結果が得られています。
ただ分析の精度については、広告において「見たかも?」といったビューレベルも分析に加えているため、viewableは判別できても、サイト来訪者のアテンションがそこに向いていたかまでは分からない、すべての広告ネットワークを横断的に分析できるわけではないため、多くのネットワークを活用している場合、分析の精度は低下する、といった問題もあります。
あらためて効果測定への向き合い方は?
結論としては、「効果測定の結果を過信しすぎず、目的によって使い分けること」が重要と考えています。オンラインとオフラインを含めた、マーケティング施策全体はMMMツールを活用し、俯瞰的に見ることを繰り返すことで、勘や経験以外の数値的な知見を積み重ね、広告投資のアロケーションの最適化を目指すことができます。
デジタル分野ではポストクリック、ポストビューを含めた獲得への貢献度をAIなどで精緻に分析することで、認知系、獲得系(特にレコメンドなど)の広告効果を偏りなく評価でき、獲得数をシュリンクさせることなく広告投資を最適化できます。
アクセス解析やBIツールは、日々の状況のモニタリングに活用し、瞬間的な事象の分析や、クリティカルな事象への迅速な対処に活用できます。
もちろん、業種や業態によって活用の仕方は様々だとは思います。大事なのは、その効果測定の位置付けを把握することで、ひとつのツールや分析結果を過信しすぎず、懐疑し過ぎないスタンスで、業務や出稿の判断を行っていくことではないでしょうか。拡大解釈や過小評価は戒めるべきもの(自戒をこめて)ですね。
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