知ってるだけで差がつく、アドテクノロジー「新常識」 #03
マーケターが押さえておきたい、アドテク業界の「4つの潮流」【ソネット・メディア・ネットワークス 谷本秀吉】
AIやRPAを導入し、パフォーマンスを最大化
3つ目の潮流は、【広告運用の自動化】です。アプローチ方法はいくつかありますが、エージェンシーやアドテクノロジー企業が取り組んでいる、AIやRPA(Robotic Process Automation)に代表されるような事業のバリューチェーン内に、積極的にハイテクノロジーを組み込む動きです。
これは、企業や事業の課題解決力や効率性を高めることに繋がり、その結果として、クライアント企業に対して、パフォーマンスの最大化を目指すアプローチです。
ここでいうパフォーマンスとは、パートナー企業のベネフィットの最大化を指します。
エージェンシーや戦略パートナー企業の取引選定の際、期待しているパフォーマンスに応える実現可能性を探るために、その企業がどのようなプロセスに技術的革新を追求しているのか、それがどう広告主企業側にアウトプットされていくのか、予めヒアリング項目に組み込んでおくと、パートナー企業のことを詳しく知ることができるでしょう。
メディア重視からデータ重視へ
そして、最後の4つ目の潮流が【データの統合化】です。マーケティング上のメディア戦略にオウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアの3つの領域に施策実行する「トリプルメディア戦略」が謳われて久しいですが、年々ユーザーのコンタクトポイントは複雑化し、多様化し続けています。
特に、ここ数年においては、オウンドメディア(自社運営メディア)を戦略の中心に描くケースが増えたのではないでしょうか。ただし、ユーザーのニーズが多様化することで、オウンドメディアのコンテンツの充実、パーソナライズ化の効果も限定的になりつつあります。
そこでメディア重視の戦略ではなく、「データセントリック(データ中心)」でユーザー行動を捉え、コミュニケーションシナリオを設計する、データの統合化が重要になっていくのです。
以上が、現在のアドテクノロジー業界にある代表的な潮流だと考えています。いかがでしたでしょうか。
直接的にはマーケターの実務においては、アドテクノロジーを詳しく理解する必要はないかもしれませんが、テクノロジーが向かう先をざっくり把握しておくことで、最適な広告のプランニングと実行、自社内ないしはパートナー企業との戦略アップデート、アドテクノロジー活用方針の共通言語化に役立つはずです。
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