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サントリーが進めるデジタル人材育成講座 #05

サントリーが社員に教えている「デジタルマーケティング」の3つの基本フレームワーク

そんなターゲットユーザー、本当に存在する?

 次に、「ユーザー」である。

 ブランドのターゲットは、「30代前半の女性でこのエリアに住んでいて、こんなプロフィールの人」と設定することが多い。

 しかし、「その人は、本当に我々の商品を買ってくれているのか」、そもそも「そういったプロフィールの人は、本当に存在するのか」など、実はこれがかなり怪しい。ブランドサイドで理想的なプロフィールを設定しているだけといったことが、ままあるのだ。

 マスマーケティングでは、テレビを想定した上記のようなデモグラ的発想(番組をターゲティングするという想定)になるのはよくわかるが、デジタルの真骨頂は、そうした「想定されたプロフィール」ではなく、「実際に買ってくれた人」もしくは「そのカテゴリーを買っている人」という段階まで、突き詰めていくことが成果を支えるのだ。
 

何を伝えられれば、ゴールに導くことができるのか

 そして最後に、「シナリオ」である。

 以前は「コンテンツ」という言い方をしていたのだが、当社ではあまりにもコンテンツファーストで考える思考回路が強く誤解を生むことから、最近は「シナリオ」と定義しなおしている。
 
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 もともと、サントリーは優良なクリエイティブで、商品の情報や情緒的価値をお客さまに伝えることをひとつの強力なコアコンピタンスとして持っていたため、過去の成功体験がデジタルを考えるときに足かせになる。

 企画を考えるときに、まずお客さまに何を伝えるかという「コンテンツ」が頭の中に発想され、その後に他の要素を考える人があまりに多い(優良なクリエイティブを考えるということは、それはそれで大きな強みのひとつなのだが、考える「順番」が違う)。

 要は、ゴールである「目的」「目標」に対して、どのようなユーザーにどうやってアプローチをして、何を伝えればゴールに達するのかという一連の流れを考えようという意思を込めて「シナリオ」と言うようにした。

 デジタルの世界では、毎月のように新しいサービスが生まれたり、メディア環境が代わっていったり、気をとられることが多いのは事実だが、デジタルマーケティングの初心者は、まずこの基本の3要素を押さえることだけを徹底している。

 加えて、少しだけ、効果測定の話をする。
 

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