TOP PLAYER INTERVIEW #02

大手企業も被害、マーケティングにセキュリティの意識を【CHEQ 布施一樹氏 インタビュー】

 

GAFAMも被害者になる時代、CHEQが求められることは何か




――実際にCHEQに仕事を依頼する企業のうち、どの程度の割合で不正が発生しているのでしょうか?

 具体的な数字は言えませんが、ゼロではありません。最近のDXの文脈から、企業で溜めていたデータを活用する流れになっていますが、そのデータが果たして分析に値するものなのかも問題です。グローバルレベルでは、平均20%が不正トラフィックからのデータだと言われているため、保有するデータの20%が信頼できないデータと言えます。そのデータに対して分析を実施しても、誤った結果を出してしまい、逆にリスクになってしまいます。

 AIなど人間の手を介さない分析ツールなどを導入している企業も多いですが、データが違えば、AIも騙されます。そうするとAIが勘違いしたまま、マーケティングを仕掛けていくことになります。そういった観点からも、デジタルマーケティングに投資している企業は注意深く不正トラフィックを確認した方がいいと考えています。

――日本で不正トラフィックへの危機感が薄いのはなぜでしょうか?

 企業によっても認識が違うので、一概に日本だけ危機感が薄いとは言えません。しかし、不正トラフィックが経済的なダメージを与えているにもかかわらず、「それは仕方がないことだ」とあきらめる日本企業が非常に多いです。

 サイバー犯罪は年々巧妙化しており、我々が知る由もない手段で個人や企業が被害に遭っています。我々も日々学習していますが、何かが起きた場合に、それを探知して防御する準備をしておく必要がありますし、そういう事態が発生する時代になっているという認識を持っておく必要があります。実際、最近ではウクライナ情勢の影響もあり、あらゆる国のあらゆる企業が不正アクセスの標的になっています。

 今、我々が求められている存在になっているのは、政府も含めて、サイバーセキュリティの問題があらゆるシーンで指摘されるようになっているからだと思います。Googleやヤフー、Facebookのような大手プラットフォーマーも不正対策をしていますが、専門的なソリューション企業と比較すると、万全とは言えません。ある意味で、プラットフォーマーも不正トラフィックの被害者なんです。

 その上で我々は、2000以上のアルゴリズムからスクリーニングを行っています。マウスの動き、入力の仕方、流入元、デバイスなどの細かい動きなどを含めて多角的に分析し、企業ごとにカスタマイズできることを強みとしていますので、ニーズも高まってきているんです。

――最後に今後の展望をお願いします。

 Web3.0をはじめ新しいデジタル世界でマーケティングしていく上でサイバーセキュリティ、サイバーリスクに対する意識を持つことが不可欠です。この領域で、ぜひCHEQを選んでほしいと思います。

 また、今後は日本だけではなく、アジアにもマーケットを広げていきます。グローバルで通用するマインドセットをしっかり持ってマーケティング活動していきます。特に、中長期的な視点から企業としての透明性を担保していくような活動にもチャレンジをしていきたいと考えています。

 さらにグローバルから日本を見たとき、グローバルで活躍できる人材を日本から輩出していきたいというテーマを持っています。日本のビジネスマンやマーケターが世界を牽引していくシーンをもっと増やしていきたいなと思っています。

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