ECリテールメディア最前線Sponsored

「チケットぴあ」がRoktと提携し、オンライン取引データを活用してECサイト上で広告収益を創出した方法とは?

 近年、検索連動広告とソーシャルメディア広告に次ぐ、デジタル広告の第3の波として「リテールメディア」が大きな伸びを見せている。そうした中で、eコマーステクノロジー企業のRokt(ロクト)と「チケットぴあ」を運営するぴあが提携し、ECサイトのトランザクション(オンライン取引)データを活用した、広告収入という新たな収益の創出を実現した。

 ぴあはECサイトにおける広告事業の導入にあたり、どのように課題を乗り越え、高い成果を生み出したのか。2023年3月23日から25日に鹿児島で開催された「ダイレクトアジェンダ 2023」でRokt ゼネラルマネージャーの山中理惠氏と、ぴあ朝日ネクストスコープ 執行役員 兼 ぴあ株式会社 の市川雅仁氏が登壇し、そのリアルな裏側に迫ったセッションをレポートする。
 

リテールメディアの可能性と“三方良し”のオンライン広告


 セッションの冒頭で山中氏は、ここ数年、小売業界や広告・マーケティング業界で「リテールメディア」が一気に注目を集めていることを紹介した。「リテールメディアとは、ECサイトや小売店などが広告媒体として提供するアセットで、具体的には購入商品の選択に影響を与え得る、実店舗内のデジタルサイネージでの広告や、サイト内のWeb広告などになります」と山中氏は語る。

 米国のデジタルマーケティングやマスメディアに関する洞察や傾向などを提供する市場調査会社であるeMarketer(イーマーケター)によると、2022年の全世界のリテールメディア市場は約5.4兆円で、CAGR(年平均成長率)は25%だと予測している。

 また、CARTA HOLDINGSが実施した「リテールメディア広告市場調査」によると、日本のリテールメディア市場は2022年に約135億円だったのに対し、2026年には約800億円を超えると見込んでいる。
  
Rokt ゼネラルマネージャー 山中 理惠 氏。「ECリテールメディア最前線~チケットぴあがECデータを活用しトランザクションの収益化を実現した方法」をテーマに登壇した。

 山中氏は「従来のデジタル広告は、サードパーティCookieの規制の影響により、ターゲティングが難しくなるなどの問題が起きています。また、ユーザーとあまり関係のない広告が表示されてしまったり、ユーザーの行動を邪魔するようなタイミングで表示されてしまったりと、不満を訴えられることが多々ありました。その点、リテールメディアでは小売事業者やEC事業者が持つファーストパーティデータを活用できるため、ユーザーのプライバシーに配慮しつつ、精度の高いターゲティングやCV(コンバージョン)トラッキングを行えます。また、お買い物行動中のユーザーにリーチできることから、タイミングとして広告が受け入れられやすいことも特徴です」とリテールメディアが着目される背景を語る。

 リテールメディアによってユーザー、広告主、メディアの“三方良し”のオンライン広告が実現できると強調するのだ。しかし、その一方で「自社のECサイトに他社広告を出すイメージができない」「カゴ落ちやCVR(コンバージョンレート)、サイトのブランド観に悪影響はないか」といった懸念から、自社ECのリテールメディア化に躊躇する事業者も多いという。

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