デジタルマーケティングで市場拡大を目指す #04
話題づくりだけでは、もったいない!ユーキャンのコンテンツマーケティングが成功した4つの要因【鳥羽 渉】
2018/10/04
「コンテンツマーケティング」とは?
ユーキャンの鳥羽渉です。現場マーケターがデジタルマーケティングの課題について考える連載4回目のテーマは、「コンテンツマーケティング」です。ここ数年、話題も多い「コンテンツマーケティング」ですが、既に取り組まれている企業も多いことでしょう。ただ業種や望むマーケティングゴールによって、コンテンツに求める役割はそれぞれ異なると思います。今回は、当社の事例から得た「コンテンツマーケティング」に関する気づきを共有させていただきます。
その前提として、コンテンツマーケティングの定義を明確にさせてください。コンテンツマーケティングの一般的な概念を提唱した書籍から引用します。
有益で説得力のあるコンテンツを制作・配信する事によって、ターゲット・オーディエンスを引き寄せ、獲得し、エンゲージメントをつくり出すためのマーケティングおよびビジネス手法
『エピック・コンテンツマーケティング』
『エピック・コンテンツマーケティング』
大事なことは「有益」で「説得力」のあるコンテンツ、ということです。
もちろん、その表現方法は様々ですが、そもそも有益でなければオーディエンスを引き寄せることができません。コンテンツマーケティングを成功させるポイントは、その点にあると思います。
ユーキャンの実施するコンテンツマーケティング[マナトピ]
企業サイトには様々なコンテンツがあります。当社の場合、広義でとらえれば、通信講座の商品紹介ページもコンテンツと言えます。紹介ページの中には該当する資格の様々な情報を記載し、かつ自社商品の詳細なスペックも紹介していますので、講座ページ自体を目的に来訪いただく方も多くいらっしゃいます。このようにコンテンツは様々ですが、その中で特に力を入れているのは、学びのキュレーションメディア「マナトピ」です。
マナトピは主に学びに関心のある女性をターゲットとしたキュレーションメディアで、2015年1月にリリースしました。その当時、オウンド施策としてキュレーションメディアが脚光を浴びていたという状況がありました。もちろん、当社としてはブームにただ便乗した訳ではありません(笑)
もともと、例年1月にはマスプロモーションに連動したコンテンツを制作していました。しかしそのコンテンツは、テレビCM放映が終わると来訪が少なくなり、またタレント契約の関係から1年間しか使えないといった課題がありました。それを解決する手段として、タレントコンテンツと他コンテンツを併存でき、かつコンテンツは継続的に掲載可能にするキュレーションメディアを制作することになったのです。
ただ当時、すでにポータル系のキュレーションサイトが伸びており、何らかの特色を出さなければ、サイトが埋没してしまう可能性が高く、また単純に来訪を稼ぐためにエンタメ的なコンテンツを配信すると、当社のコアバリューである「学び」を外してしまうという課題がありました。
そこで、「マナトピ」では、次のようなコンセプトを立てて、コンテンツを設計しました。
・テレビCM放映期間の来訪を増やすため、出演するタレントと連動した記事を掲載する
・「学び」に関する記事は、抽象的なデマンドから、具体的な受講動機までがブリッジするよう、以下のパーセプションに分類し制作する
・「学び」に関する記事は、抽象的なデマンドから、具体的な受講動機までがブリッジするよう、以下のパーセプションに分類し制作する
- Perception1:認知・集客拡大
- Perception2:資格興味・学習意欲醸成
- Perception3:講座(商品)意向喚起
タレントさんの関連記事は、広義ではPerception1に該当します。
Perception1で「マナトピ」に集客し、Perception2・Perception3の記事を介することで、資料請求や講座申込に近づけていくイメージです。
もちろんサイト来訪者は、必ずしもこちらの意図通りの回遊をしてくれる訳ではありませんが、関連記事の出し方などの工夫を重ね、パーセプションの横断的閲覧者はCVRが高いなど、一定の成果を上げられるようになっています。
また現在では、自社サイトでは取り上げにくいキーワードでのSEO施策が奏功し、マスプロモーション期以外のサイト来訪に大きく貢献しています。
これは、当初からコンテンツを長期的なアセット(資産)にする目的で制作したことや、学びに関する気づきから意欲醸成につなげるコンテクスト(文脈)の効果と考えています。