デジタルマーケティングで市場拡大を目指す #04
話題づくりだけでは、もったいない!ユーキャンのコンテンツマーケティングが成功した4つの要因【鳥羽 渉】
2018/10/04
マスキャンペーンに連動したコンテンツマーケティング
また、当社のマスキャンペーンも基本的にコンテンツマーケティングです。特にチャレンジ企画は、忙しいタレントに実際に当社の講座を受講いただくことで、私たちの通信教育の有効性などを直接的に表現するプロモーションです。2018年は佐々木希さんに「食生活アドバイザー®」に挑戦していただき、見事に合格していただけました。
この結果を受け、次のような構造でマーケティングを展開しました。
- テレビCM
タレントパワーと「合格」というファクトを活用し、高い認知を獲得 - デジタル施策
合格にいたる経過や合格後の資格活用といったコンテキストを強化し、チャレンジ企画を拡散する - LP(ランディングページ)
CMなどでは描き切れなかった要素を補完し、来訪者のモチベーションを受講申込み行動につなげる
そして、こちらの施策の結果ですが、具体的な数値は控えますが、概ね想定通りの成果を得ることができました。
これまでの積み重ね…事例からの気づき
今年の結果だけですと、お読みいただいて「ふーん」という感じになるだけでしょうが(笑)、この結果を得るまでには、数年間の試行錯誤がありました。もともと、チャレンジ企画は2011年からスタートし、様々なタレントさんに挑戦いただきました。
当初は1月にチャレンジを宣言してもらい、8月頃に合格発表を行っていました。その間は学習の経過をたどることで、認知からリテンション、合格というファクトからの購買行動促進という流れを想定し、1月と8月に需要の山をつくり出す設計にしていたのです。
しかし、マスと連動した1月は、それなりのインパクトがあるものの、学習経過段階では大きな話題化はできず、8月の合格発表では、そもそもチャレンジという事実自体があまり認識されていないなど、こちらの思い通りの動きにはなりませんでした。
確かに、学習経過に面白みはありませんし、誰もが見たいというコンテンツではありません。
そこで学習期間中にSNSを活用したインセンティブキャンペーンや、エンタメ的な施策を試みたこともありました。しかし、その結果も、あまり良いものではありませんでした。
これらの施策の積み重ねを経て、今年の施策で一定の成果を得ることができた主な要因は以下の要素と考えています。
【コンテンツマーケティングで成果を出せた要因】
- 当社の主要ターゲットであるF1・F2層の認知や共感性が高いタレントが挑戦したこと
- そのタレントが講座(資格)を受講する必然性があったこと(自ら選択したこと)
- 1月の需要期に「合格」というインパクトのあるファクトを訴求できたこと
- 講座自体が他講座(食関連)への波及を生むものであったこと
他にもリアルを追求したクリエイティブや、先に述べたマスからの施策展開という理由もありますが、上記の要素により「有益で説得力のある」コンテンツになったことが大きいと考えています。