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電通グループ、次世代型の広告撮影スタジオ「FACTORY ANZEN STUDIO」を公開

 

広告コンテンツ撮影に最適化された新たなスタジオ


 電通グループは10月18日、横浜市鶴見区に1月にオープンした撮影スタジオ「FACTORY ANZEN STUDIO」を公開する取材会を実施した。広告制作の効率化と、環境への配慮を両立させた次世代型の撮影拠点となる。

「FACTORY ANZEN STUDIO」は、電通グループが1991年から2022年までの30年間利用してきた旧・横浜スーパー・ファクトリーの老朽化を受けて誕生。新スタジオの設立に向けて、電通グループ20社横断で約300人からヒアリングし、広告制作に必要な機能を準備した。横浜市鶴見区にスタジオを構える理由は、広告に出演するタレントが都心から車で30分圏内でアクセスできる利便性を重視したため。2023年1月に着工し、約1年かけて完成した。

「FACTORY ANZEN STUDIO」は、「統合制作対応」「バーチャルプロダクション常設」「サステナビリティを志向した次世代のスタジオ」という3つの特徴がある。

 ひとつ目の「統合制作対応」はスタジオが2つある2面設計で、従来の美術セット建込みのテレビCMやグリーンバック撮影、ムービー、グラフィック、デジタルなど、さまざまなコンテンツの制作が可能。また、国内有数の撮影・照明機材を揃えている。

 2つ目の「バーチャルプロダクション常設」は、広告撮影に最適化されたバーチャルプロダクション(※1)対応の大型LEDウォールを常設しており、CG制作に伴う合成撮影を従来よりも短期間で行うことができる。具体的には2カ月程度かかっていた制作期間を、既存の背景アセットを活用することで1カ月程度に短縮できる。

 また、バーチャルプロダクションを活用することで、短時間で多くのシーンを撮ることができ、タレントの撮影や複数タイプの制作にも有効になる。さらに、従来のロケーションや美術セット撮影と比較して、環境負荷の軽減にもつながる。
  
従来の撮影ではグリーンバック撮影だったため、演者が飲んでいる透明な液体もグリーンになってしまい、後処理が必要であった。バーチャルプロダクションを活用することで、撮影した映像をそのまま活用できる。
  
夜景の背景も、さまざまな角度からディスプレイの光が演者に当たるため実際にその場所で撮影された映像と遜色ない映像表現ができる。
  
スタジオ内に自動車を入れてデモンストレーションを実施。実際に外を走っているかのように車のフロントガラスに風景が反射している。

 3つ目の「サステナビリティを志向した次世代のスタジオ」では、環境への配慮を重視している。スタジオで発生する産業廃棄物の年間平均リサイクル率90%以上を目標としている。また、旧スタジオの照明資材をリサイクルし、さらに電力使用における温室効果ガスの排出量ゼロを目指している。

 現在は主にテレビCMの制作で活用しているが、今後は映画やドラマ、グラフィックなど幅広い用途での活用を視野に入れている。電通グループのアイデアを形にし、ビジネス広げてくような拠点としての進化を目指す。
  
電通グループ20社、約300人からヒアリングし「FACTORY ANZEN STUDIO」は完成した。

※1:高精細大型LEDディスプレイに背景アセットを投影し、その前に被写体(人物・クルマなど)を配置することで、実際にその場所で撮影されたものと遜色ない映像表現が可能な撮影システム

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