テクノロジー
インテージがAI活用を強化、DetaRobot社とパートナー契約を締結
DataRobotにルールチェンジの可能性を感じた
調査会社のインテージは9日、AI(人工知能)を活用したマーケティング支援ツールを提供するDataRobot社とパートナーシップ契約を締結したことを発表した。DataRobotは、機械学習によって、売上や需要、マーケティングに関する予測モデルの自動育成ツールを提供する米国企業で、日本などアジアに加えてヨーロッパでも展開している。今回の提携でインテージは、機械学習の自動化プラットフォーム「DataRobot」をグループ横断で導入するほか、マーケティングの意思決定にデータを利用できるソリューションの共同開発に着手する。また、第一弾の取り組みとして、インテージが保有する生活者ログデータを用いたデータ解析サービスや、クライアント企業に対する「DataRobot」導入支援を始める。
提携にあたって、インテージ 先端技術部 田中朗氏は、「DataRobotにデータサイエンティストの在り方さえ変わってしまう可能性を感じ、期待感と同時に背筋が伸びる気持ちを抱いている。過去には、SASやSPSSのような商用ソフトウェアに対して、RやPythonなどのオープンソースの波が押し寄せて、データサイエンスを巡る環境は一変しました。DataRobotには、そのような我々の仕事を“ルールチェンジ”させてしまう可能性が秘められている気がしています」と話す。
一方で、DataRobotカントリーマネージャーの原沢滋氏は、「現在は主に製造現場や金融、保険、ヘルスケア業界などで利用されていますが、マーケティング活用に関しては、『そもそもデータがない』、もしくは『あるけど使える状態にない』という悔しいシーンによく出会います。その現状を、マーケティングデータの引き出しが豊富なインテージが打開してくれることを期待しています」と述べる。
今後、インテージの「スマートテレビ視聴ログデータ」と組み合わせで、テレビCM出稿のプランニングやバイイング支援についてもサービス開発を進めていく予定だという。
(文・ナノベーション 東宮真生)