新・企業研究 #02
エスワンオーインタラクティブは、なぜ社名をハートラスに変えたのか【高瀬大輔】
運用型広告のトレーディングデスク事業を行うエスワンオーインタラクティブは10月1日、社名をハートラスに変更した。業績も伸びている中、なぜ社名を変えたのか。代表取締役社長の高瀬大輔氏に話を聞いた。
高瀬大輔氏 ハートラス 代表取締役社長
不動産、リノベーション業界のマーケターを経て、2008年より大手インターネット広告代理店にてメディアプランナーを務める。アドネットワーク・DSP関連の社内プロジェクトリーダーとしてプロジェクトマネジメントを担い、運用ノウハウの体系化、社内浸透、各種アウトプットを推進。その後、運用型広告領域の部門マネジメントを経て、トレーディングデスク事業を展開するエスワンオーインタラクティブの代表取締役社長に就任。
不動産、リノベーション業界のマーケターを経て、2008年より大手インターネット広告代理店にてメディアプランナーを務める。アドネットワーク・DSP関連の社内プロジェクトリーダーとしてプロジェクトマネジメントを担い、運用ノウハウの体系化、社内浸透、各種アウトプットを推進。その後、運用型広告領域の部門マネジメントを経て、トレーディングデスク事業を展開するエスワンオーインタラクティブの代表取締役社長に就任。
社名と企業理念のアンマッチが起きていた
-広告業界内で、エスワンオーインタラクティブという社名は浸透していたと思います。その中で、なぜこのタイミングで社名を変えたのでしょうか。
一言で言えば、社名と企業理念のアンマッチが起きていたということです。2011年に事業を開始し、今年で7期目を迎えました。小規模のベンチャーから順調に成長して、トレーディングデスクとして業界内で知られるようになりましたが、少しずつ我々の考えも変化してきたのです。
その中で2017年初めに新たに掲げた企業理念が、「心に響く喜びを。」です。クライアントはもちろん、パートナー、社員、そしてその家族など、ステークホルダーに対して、想像を越えるような価値を提供して、喜びを提供したい——。そういう思いが込められています。
変更前の理念が、エスワンオーインタラクティブという社名にマッチしていたが故に、この新たな理念と社名がアンマッチとなっているのではないか、という考えがずっとありました。
-どのように、違ったのでしょうか。
かつての社名は、「Satisfaction Guaranteed」「Only 1」「Organization」から頭文字を1文字ずつとり「interactive」をつなげて、エスワンオーインタラクティブと名付けられていました。日本語に訳すと、「満足を保証する、唯一無二の組織」になります。つまり、お客さまと従業員の満足を掲げる組織だったわけです。
ただ、その理念は従業員が仕事をする上で、当たり前のことですよね。もっと、日々の仕事に落とし込むことができる、大事にしていくべき言葉はないだろうか。たとえ、事業ドメインが変わったとしても、日々の行動の指針になるものはないだろうか。そういったことを経営陣で考えて出てきたのが、先ほどの企業理念でした。 そして、その企業理念から考えて生まれたのが「ハートラス」という社名です。心(ハート)を大切にする集団(クラス)。そして、ファーストクラスのような高品質のサービスを提供するという意味が込められています。
-先ほど、会社が徐々に変化してきた、という話がありました。具体的には、どのように変わったのでしょうか。
2011年の創業当時は、社員全員が経営レベルから考えて、それぞれが営業として売上を稼いでくるというフェーズでした。その後、社員も30人、50人にと増え、バックオフィスも整えてと、徐々に会社・事業の規模含めてフェーズが変わってきています。結果的に2016年に代表も交代しています。ここ数年は前年比140%を越える成長を続けてきました。これは、他のデジタルエージェンシーの平均よりも比較的、高い水準のはずです。
しかし、全てが変わったわけではありません。我々が提供している価値は、単純な運用作業にあるのではなく、あくまでクライアントの事業KPIへの貢献にあるわけです。私は常に、エスワンオーインタラクティブ、そしてハートラスは、事業支援型のビジネスでありたいという思いを強く持ってきました。
-今後の展望について、教えてください。
社名変更は、重要な区切りになりますが、我々が事業を推進していく上でのワンオブゼムの出来事でしかありません。トレーディングデスクを事業ドメインにしている以上、引き続き、事業支援を徹底的に追求していきます。クライアントの事業を成長させていくために、特にインハウスを伸ばしていきたいと思っています。