成果を出す「運用型広告」実現のための考察 #01

運用型広告の現状と、自動最適化への理解を深めるための考察【平野 裕亮】

運用型広告の理解にオススメはGoogle広告




 今で言う「運用型広告」の先駆けである検索連動型広告が、日本でサービスを開始したのは、2002年。「オーバーチュア広告(現:Yahoo!プロモーション広告 スポンサードサーチ)」と「Google AdWords(現:Google 広告)」の2強の登場です。

 当時は、広告品質が存在せず、入札単価が全てでした。懐かしく思われる方もいらっしゃると思いますが、1円ずつの入札で鎬を削った経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。私もその一人です。

 その運用型広告は、今や検索連動型広告に留まらず、「GDN(Google ディスプレイ ネットワーク)」、「 YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)」、Facebookなどといったアドネットワークに加えて、「MicorAd BLADE」、「 Logicad」、「 ScaleOut」といったDSPなど、インターネット広告の掲出になくてはならないサービスとなっています。

 
各サービスベンダーの一部抜粋


 事業主・広告代理店を問わず広告を掲出する上で、必ずクリエイティブやターゲティングを一考されるかと思います(あえてノンターゲティングのケースもあるとは思いますが)。

 媒体上に展開されるテキスト、静止画、動画といった広告表現、リターゲティングに代表される“あの手この手”のターゲティング手法、インフィードやコンテンツディスカバリーのような比較的新しい広告掲載枠の登場。そして、その効果を「ユーザー(ブラウザ) × 配信面(枠)・媒体 × 広告クリエイティブ × 着地先」と考えると、その組み合わせの上限はあれど、無限に近しいでしょう。

 
ターゲティングに使えるデータ群の一例


 媒体側の広告掲載ポリシーを最低限に、掲載する配信面とその媒体特徴に合わせた広告クリエイティブを配信することが理想です。とは言え、現実的に難しいのも事実。広告担当者は、リソースと向き合いつつ、理想に向かって対処せざるを得ません。

 しかし今では、蓄積したさまざまなデータを元に、機械学習を用いた自動最適化が進んでいます。今後もより進化していくしょう。リソースがかかってしまうアナログな分析・調整だけでなく、リソースがかからないようにするための自動最適化への理解も必要不可欠となっています。

 その理解を深める上で、一個人としてオススメなのは「Google広告」です。



 国内すべての運用現場を覗いているわけではないですが、Google広告の運用では、いかに運用データを学習させてドライブさせるかが命題です。そして運用現場では、実際に学習させることでパフォーマンスが向上していきます。

 ディスプレイ広告の設定管理を支援する「スマートディスプレイキャンペーン(SDC)」 や Googleアナリティクスとの連携で作成可能なスマートリスト、アトリビューションモデルの設定など、ひと昔前にはなかった機能も実装されています。

 
Googleプロダクトのデータ連携図



 自動化が進んでいるとは言え・・・、精度が「完璧」とは言えないのは言わずもがな。人の手が全く不要になるわけではないです。

 今回は、あえて無駄に、文章の途中に広告を掲出していますが、体感として精度はいかがでしょう。

同じバナーばかり並びましたか。
すべて違うバナーでしたか。
広告ばっかりだなぁと感じられましたか。

読もうと思った記事で、広告が鬱陶しさを超えて嫌でも目につく状態で、どのように感じられたでしょうか。次回では、その点も含めて考察していきます。
 

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