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キンドリルが「企業のAI活用準備状況」最新レポートを発表 人材・組織育成に課題
2025/11/12
- 生成AI,
キンドリルジャパンは10月2日、企業のAI活用に向けた準備状況を調査した世界的な調査レポートに日本独自のインサイト分析を加えた「People Readiness Report 2025(日本語版)」を公開した。
本調査は25業界、世界8ヵ国の1000人超の経営幹部およびテクノロジー責任者を対象としており、企業がAI投資を進める一方、人材・組織体制の準備状況との間に大きなギャップがあることを明らかにしている。
調査対象となった企業の95%は「AIへの投資を進めている」と回答しており、もはやAI活用は企業にとって前提条件となっていると言える。一方で、ビジネスリーダーの71%は「従業員がAIを効果的に活用する準備が整っていない」と回答し、51%は「AIを活用するのに必要なスキルを持った人材が不足している」と回答。AI活用に向けて資金投入が進んでいるものの、人材などの活用基盤が十分に整えられていない企業が多数派のようだ。
また、AIを活用して得たインサイトを「意思決定の向上やビジネスの成長に活用している」と回答したリーダーは10人中4人にとどまり、AIの主要な活用例として「顧客向けの新製品やサービスの開発」と回答したリーダーは20%しかいなかった。レポートは「多くの企業がAI導入を試みているにもかかわらず、ほとんどは画期的なユースケースを生み出せていない」と指摘する。
日本企業に特化すると、特徴的な発見があった。
調査対象となった日本企業の28%がAIを製品やサービスに組み込んでおり、これはグローバル平均の21%より高い結果となっている。また、AIの普及による雇用喪失への不安が、従業員のエンゲージメントに影響を及ぼすかについては、グローバル平均では50%が「影響が広がっている」と回答しているのに対して、日本企業では39%にとどまった。
これらのデータは、日本企業がAI活用を人材の代替ではなく、製品・サービスの開発などの目的や、あるいは人材や組織をサポートする目的にフォーカスして活用する傾向が強いことを示唆している。「自社のさまざまな分野でAIを活用している」と回答した日本企業は、グローバル平均の95%に対し89%にとどまったのは、その裏返しと言える。
一方、「AIの可能性を最大限に活用する備えができていない」と回答した日本企業は85%と、グローバル平均の71%に対して高い結果になった。ほかにも「AIに対する抵抗感」や「AIテクノロジーを管理するスキル人材の不足感」はグローバル平均を上回った。
日本企業は局所的にAI技術を活用しているものの、全社的な活用については基盤整備が追いついていないと言えそうだ。
グローバルでもAI活用準備に遅れを感じる企業が多数派である一方、ビジネスの成長にAIを効果的に活用している少数の「AIリーダー企業」の存在も明らかになった。AIリーダー企業とその他の企業との違いはどこにあるのか。本調査はAI導入を進める際に障壁となることが多い、以下の3つの項目で説明する。
1.組織のチェンジマネジメント
AI導入に向けて本格的なチェンジマネジメント戦略を策定・実行した割合が、AIリーダー企業は93%だったのに対して、他の企業は31%と顕著な差が見られた。
2.AIに対する従業員の信頼
AIが従業員のエンゲージメントに影響を与えることへの懸念を挙げた割合が、AIリーダー企業は37%だったのに対して、他の企業は52%と高くなった。
3.スキルギャップ
「従業員のスキルを正確に把握するためのツールとプロセスを備えている」と回答した割合は、AIリーダー企業が70%だったのに対し、他の企業は42%にとどまった。また、「スキルに関する問題が全くない」と回答した割合はAIリーダー企業は41%だったのに対し、他の企業は18%となり、AI活用スキルの面で大きな差が露わになった。
AIリーダー企業は総じて人材・組織の状態を正確に把握し、AI導入に向けた戦略的な組織改革・マネジメントを行ったり、AIに対する従業員の不安やスキル上の懸念を払拭する環境を整えたりしている模様だ。
本調査では、CEOが従業員のスキルアップよりも外部人材の活用を選ぶ傾向も強く見られた。しかし、キンドリルジャパンの技術理事 劉功義氏は、人材育成に取り組みながらAIをビジネス成長に結びつけているAIリーダー企業を念頭に、「データアーキテクチャーとテクノロジーインフラが重要な要素であるものの、人材と組織の育成を優先しない企業は成長の機会を逃してしまうことが分かった」と指摘。
同社の最高技術責任者(CTO) 河合琢磨氏は「テクノロジー戦略をビジネス全体の目標と一致させることは、AIのメリットを最大限に引き出すためにリーダーが取るべき最も重要な行動」として、経営陣がAI活用を経営戦略と位置付け、それに向けた人材・組織の基盤整備を早急に進める重要性を強調した。
本調査は25業界、世界8ヵ国の1000人超の経営幹部およびテクノロジー責任者を対象としており、企業がAI投資を進める一方、人材・組織体制の準備状況との間に大きなギャップがあることを明らかにしている。
AI投資進むも活用は途上
調査対象となった企業の95%は「AIへの投資を進めている」と回答しており、もはやAI活用は企業にとって前提条件となっていると言える。一方で、ビジネスリーダーの71%は「従業員がAIを効果的に活用する準備が整っていない」と回答し、51%は「AIを活用するのに必要なスキルを持った人材が不足している」と回答。AI活用に向けて資金投入が進んでいるものの、人材などの活用基盤が十分に整えられていない企業が多数派のようだ。
また、AIを活用して得たインサイトを「意思決定の向上やビジネスの成長に活用している」と回答したリーダーは10人中4人にとどまり、AIの主要な活用例として「顧客向けの新製品やサービスの開発」と回答したリーダーは20%しかいなかった。レポートは「多くの企業がAI導入を試みているにもかかわらず、ほとんどは画期的なユースケースを生み出せていない」と指摘する。
日本は活用範囲に偏りあり
日本企業に特化すると、特徴的な発見があった。
調査対象となった日本企業の28%がAIを製品やサービスに組み込んでおり、これはグローバル平均の21%より高い結果となっている。また、AIの普及による雇用喪失への不安が、従業員のエンゲージメントに影響を及ぼすかについては、グローバル平均では50%が「影響が広がっている」と回答しているのに対して、日本企業では39%にとどまった。
これらのデータは、日本企業がAI活用を人材の代替ではなく、製品・サービスの開発などの目的や、あるいは人材や組織をサポートする目的にフォーカスして活用する傾向が強いことを示唆している。「自社のさまざまな分野でAIを活用している」と回答した日本企業は、グローバル平均の95%に対し89%にとどまったのは、その裏返しと言える。
一方、「AIの可能性を最大限に活用する備えができていない」と回答した日本企業は85%と、グローバル平均の71%に対して高い結果になった。ほかにも「AIに対する抵抗感」や「AIテクノロジーを管理するスキル人材の不足感」はグローバル平均を上回った。
日本企業は局所的にAI技術を活用しているものの、全社的な活用については基盤整備が追いついていないと言えそうだ。
AIをビジネス成長につなげる「AIリーダー企業」
グローバルでもAI活用準備に遅れを感じる企業が多数派である一方、ビジネスの成長にAIを効果的に活用している少数の「AIリーダー企業」の存在も明らかになった。AIリーダー企業とその他の企業との違いはどこにあるのか。本調査はAI導入を進める際に障壁となることが多い、以下の3つの項目で説明する。
1.組織のチェンジマネジメント
AI導入に向けて本格的なチェンジマネジメント戦略を策定・実行した割合が、AIリーダー企業は93%だったのに対して、他の企業は31%と顕著な差が見られた。
2.AIに対する従業員の信頼
AIが従業員のエンゲージメントに影響を与えることへの懸念を挙げた割合が、AIリーダー企業は37%だったのに対して、他の企業は52%と高くなった。
3.スキルギャップ
「従業員のスキルを正確に把握するためのツールとプロセスを備えている」と回答した割合は、AIリーダー企業が70%だったのに対し、他の企業は42%にとどまった。また、「スキルに関する問題が全くない」と回答した割合はAIリーダー企業は41%だったのに対し、他の企業は18%となり、AI活用スキルの面で大きな差が露わになった。
AIリーダー企業は総じて人材・組織の状態を正確に把握し、AI導入に向けた戦略的な組織改革・マネジメントを行ったり、AIに対する従業員の不安やスキル上の懸念を払拭する環境を整えたりしている模様だ。
本調査では、CEOが従業員のスキルアップよりも外部人材の活用を選ぶ傾向も強く見られた。しかし、キンドリルジャパンの技術理事 劉功義氏は、人材育成に取り組みながらAIをビジネス成長に結びつけているAIリーダー企業を念頭に、「データアーキテクチャーとテクノロジーインフラが重要な要素であるものの、人材と組織の育成を優先しない企業は成長の機会を逃してしまうことが分かった」と指摘。
同社の最高技術責任者(CTO) 河合琢磨氏は「テクノロジー戦略をビジネス全体の目標と一致させることは、AIのメリットを最大限に引き出すためにリーダーが取るべき最も重要な行動」として、経営陣がAI活用を経営戦略と位置付け、それに向けた人材・組織の基盤整備を早急に進める重要性を強調した。




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