テクノロジーがもたらすマーケティング・イノベーション #01
ブロックチェーン技術が、広告から「中間業者」を排除する
2018/05/10
マーケティングにおいて何が革命なのか?
ブレイブにはマーケティング革命を起こす可能性がある。その芽はユーザーとパブリッシャー、そして広告主がBATトークンを媒介にして3者にメリットのあるつながりを作っているところにある。これは先述したパブリッシャーと広告主の不満を解決するポイントでもある。まず広告主はBATトークンを使ってブレイブ内に広告を出すことができる。ユーザーはBATトークンを受け取って広告を見ることも、受け取らずに広告のないブラウザを使い続けることもできる。
またユーザーはアクセスするウェブサイトのパブリッシャーにBATトークンを直接支払うことができる。これはコンテンツに対する対価、応援という位置付けだ。そしてパブリッシャーは中抜きされることなく広告収入を得ることができる。つまり、広告代理店やアドテク企業が果たしてきた機能をブラウザ内で全て完結させてしまうのだ。 これは決してベンチャー企業の夢物語ではない。
ブレイブは2018年4月18日、ダウ・ジョーンズのメディア部門であるダウ・ジョーンズ・メディア・グループとの提携を発表した。ダウ・ジョーンズが提供するマーケット・ウォッチなどのコンテンツをブレイブが開発したプラットフォームで配信するという。
ブレイブは決して広告をなくそうとしているわけではない。なくそうとしているのは“中抜き”だ。
ADWEEKの記事によれば、アイク氏はGoogleを名指ししながら、広告の中間業者を排除してパブリッシャーと読者が直接つながるようにするとの方針を明確に示している。
このような流れは決して単発の出来事ではない。4月23日にβ版をローンチした日本発のブロックチェーンを使ったソーシャルメディアプラットフォーム「ALIS」も「従来のメディアにありがちな広告のためのコンテンツ、ステルスマーケティング、信頼性の低い情報にうんざりしている人々を解放すること」をその目的としている。
ブロックチェーンテクノロジーは、他の産業と同じくマーケティングに革命を起こすだろう。デジタル・ディスラプションと無関係でいられるマーケターはいない。ブロックチェーンはその芽が育つ土壌だ。この連載ではマーケティング革命を起こす有力なプロジェクトを紹介して行く。今後も、お付き合い願いたい。
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