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TaboolaがNTTドコモのプロモーションで実証した配信設計の新常識 デジタル広告の成果を高める「攻めのホワイトリスト」という考え方
2026/05/28
【アフタートーク】広告成果と「責任ある広告」を両立するヒントを得られた
検証後、キーパーソン3人があらためて集合。今回の施策を振り返り、得られた結果をどう受け止めたか、デジタル広告のさらなる発展のためにどう活かせるかについて、意見を交わした。
(写真左から)
NTTドコモ ブランドコミュニケーション部 メディアマーケティング メディア戦略担当 金津 純氏
Taboola Japan Enterprise広告営業戦略部長 大澤暢也氏
Taboola Japan クライアントサクセスリード 木村政貴氏
※所属や役職は取材当時
NTTドコモ ブランドコミュニケーション部 メディアマーケティング メディア戦略担当 金津 純氏
Taboola Japan Enterprise広告営業戦略部長 大澤暢也氏
Taboola Japan クライアントサクセスリード 木村政貴氏
※所属や役職は取材当時
ブランド広告における「成果」の考え方
大澤 これまでドコモのブランド広告(認知広告)では「ブロックリスト × リーチ」での運用が中心だったと理解しています。今回の実証実験にあたり、「ホワイトリスト配信でユーザーとの接触回数を重ねたほうが、より効果につながるのでは」という提案をさせていただきましたが、金津さんはどのように受け止められましたか。
金津 私個人としては、「接触回数は何回重ねることが正解か」ということについて強いこだわりはなく、重視していたのは「いかにユーザーとの接点をつくるか」でした。接触頻度だけの議論ではなく「特定の場所で繰り返し接触すること」がユーザーとの関係構築にどう寄与するのか。それを検証するひとつの試みとして、今回の施策に臨みました。
大澤 長年、企業が発信するメッセージをたった1回の広告接触だけでユーザーの記憶に残すのは非常に難しいという実情を目の当たりにしてきました。一方で広告主企業は「ユーザーに嫌われたくない、しつこいと思われたくない」といった考えから、接触回数を抑える傾向があります。しかし調査データを見ると、10回程度の接触であれば、必ずしも嫌悪感にはつながらないという結果も出ています。
せっかくキャンペーンを実施しても、ユーザーの記憶に残らなければ意味がありません。そこで今回の施策では、ターゲットが最低でも3回以上は広告に接触するよう設計しました。

大澤 今回、動画の視聴完了率やCTRだけでなく、コンバージョンポイントとして設定したボタン押下アクション(店頭予約/オンライン購入)についても、非常に良い結果が出ました。この点については、どのように受け止めていらっしゃいますか。
金津 今回出稿したのは、あくまでブランド広告(認知広告)ですから、本来の目的は「認知を高めること」「興味を喚起すること」です。ですからコンバージョンは「結果としてついてきたもの」と捉えています。
ただ、ブランド広告(認知広告)としての効果が出た上で、その先にまでつながったことはポジティブに受け止めています。ブランド指標の向上が、最終的に新規顧客の創出やユーザーのアクションにどうつながっているのかという、一気通貫の視点は非常に重要だと考えているためです。
大澤 施策の結果を見ていて、ブランド認知が深まり、ドコモのサービス内容が正しく理解された結果として、ユーザーのアクションにつながったのではないかと分析しています。通信業界は、サービス内容だけで差別化することが難しい面もあります。その中で、「興味を持たれ、印象に残る広告」を実現できたことが、今回の成果につながったと感じています。
「ホワイトリスト」の再定義
木村 今回の施策では、接触頻度に加えて、ホワイトリストの活用も大きなポイントでした。ドコモは以前からホワイトリスト運用を行ってこられたと思いますが、今回特に意識された点はありますか。
金津 まず前提として、ドコモではブランドセーフティの観点から、アドベリフィケーションツールを活用し、「ブロックリスト」の運用を中心に行ってきました。一方で、ホワイトリスト、つまり総務省が2025年6月に発表した「デジタル広告の適正かつ効果的な配信に向けた広告主等向けガイダンス」でいう「セーフリスト」に近い運用は、これまでそれほど多くありませんでした。
ホワイトリストによる運用は、従来は「どこに広告が出ているかわからないリスクを防ぐ」という“守り”の意味合いでの運用がメインでした。しかし今回は「本当にコミュニケーションを取りたい相手へ積極的に届ける」という“攻め”の発想でリストを構築しました。ホワイトリストを「質の良いターゲティングリスト」と再定義したことが、これまでとの大きな違いだったと思います。
木村 その「攻めのホワイトリスト」の発想で厳選した「75サイト」と、通常の「250サイト」とで、広告パフォーマンスを比較検証しました。結果として、前者のほうがユーザーの動画視聴時間が長いことに加え、クリックや、LP上でのボタン押下アクションなどについてもよりアクティブな反応が得られました。
金津 私自身の生活感覚としても、特定の場所で繰り返し見る広告や、好きなテレビ番組のスポンサー広告は印象に残りやすいと感じます。デジタル広告でも、質の良いサイト上で「またこの広告を見かけたな」と感じてもらうことが、ユーザーの心理や行動の変化につながるのではないか。今回の結果は、その仮説を裏付けるものになったと思います。

金津 デジタルの世界は情報の流れが非常に速い分、ユーザーが情報を忘却するのも早い。それにも関わらず、商品・サービスの担当者は「ユーザーは常に自社商品・サービスのことを考えてくれている」という勘違いをしがちです。しかし実際には、一人のユーザーが特定ブランドのことを24時間考え続けているわけがありません。
だからこそ重要なのは、「いかに想起してもらうか」です。何らかのニーズが発生した時に、「そういえば、あのブランドがあった」と思い出してもらう。そのためには、しつこくならない範囲で、継続的かつ定期的に接点を持ち続ける努力が必要です。
大澤 おっしゃる通りですね。情報の消費が激しい時代だからこそ、記憶に定着させるためには「ユーザーが耳を傾けてくれる環境で、情報・メッセージを届け続けること」が不可欠です。今回の検証結果は、その重要性を改めて示していると思います。
「責任ある攻めの広告運用」を目指して
金津 現在のデジタル広告運用は、非常に複雑化しています。ブランドセーフティのリスクを管理しながら、同時に効果的・効率的なコミュニケーションも実現しなければならない。つまり、「商業的な論理」と「社会的な論理」の両立が求められているわけです。
総務省による前述のガイダンスでも指摘されているように、広告費が意図せず不適切サイトや反社会的活動の資金源になってしまう問題は、無視できません。CPAやコンバージョンといった利潤追求に偏りすぎるあまり、社会的リスクを軽視する「トレードオフ」の関係になってはいけない。デジタル時代の広告主には、その両輪をどう回していくかが問われています。
大澤 現在のデジタル環境では、AIの進化もあり、秒単位で新しいサイトが生まれています。その中には、広告収益だけを目的とした「MFA(Made for Advertising)」サイトや、著作権侵害サイトも存在します。完全に防ぐのは難しく、“いたちごっこ”の側面もありますが、広告主・代理店・メディアが一体となって意識を高めていく必要がありますね。
金津 ドコモでは、ブランドの毀損リスクおよび社会的なリスクは軽視していません。アドベリフィケーションツールの導入範囲をグループ全体へ広げるなど、広告投資の質を追求する取り組みを強化しています。グループ全体として、責任ある広告運用を実現していく必要があると考えています。
これは広告主だけが意識すればいい問題ではありません。広告エージェンシーや媒体社もブランドセーフティや社会的リスクに対する意識を高めて、行動に移す必要があります。その中で、Taboolaさんのように高い意識を持って取り組むパートナーとは、契約段階からしっかり精査しながら連携していきたいと考えています。
デジタル広告の健全性は、一社だけで守れるものではありません。責任ある広告運用に広告主各社が向き合い、対応を考え、行動に移すことで、業界全体を変えていく必要があります。今回の検証結果も、そのためのひとつの材料として活用しながら、デジタル広告のあるべき姿を追い続けたいと思います。
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