テクノロジー
ChatGPT広告スタート KDDI・メルカリのマーケターに聞く期待と注意点
2026/06/24
ユーザーの興味関心、文脈に合った広告体験となるか
OpenAIは6月22日、日本のChatGPTユーザーを対象とした広告表示システムの運用を開始した。Freeプラン(無料)とGoプラン(月額1400円)で、使用時に広告が表示される場合がある。
広告表示は、今年2月に米国で導入したのを皮切りに対象地域を順次拡大しており、現時点では米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの4ヵ国に展開している。今回、日本と同じタイミングで英国、メキシコ、ブラジル、韓国も対象地域に加わったとされる。
過去の会話のトピックやチャット内容、広告に対する反応などをもとに、広告主が出稿した広告と照合し、ユーザーと関連性の高い広告を表示する仕組み。広告主にユーザーの個人情報や会話内容が共有されることはなく、提供されるのは表示回数などの集計データに限られるという。
ChatGPTの通常の回答が広告の影響を受けることはないとされ、広告にはスポンサー表記など通常のChatGPTの回答とは視覚的に区別できる形でチャット画面内に表示される。
ユーザーの情報探索や比較検討、さらには意思決定に至るまで、購買意思決定プロセス全体に深く関与する存在となったChatGPT。広告主である企業にとっては強力な顧客接点となる可能性を秘める一方、活用方法を誤ればブランドイメージの毀損を招くリスクも抱えていると言える。
前回に続き、デジタル広告・デジタルマーケティングに関する経験・知見が豊富なマーケターに、新たな広告プラットフォームへの現時点での期待や、活用にあたって意識すべきポイントなどを聞いた。
KDDI 後舎氏:AIの通常回答の影響とどう切り分けて評価するかが課題

後舎 満 氏
KDDI
ブランド・コミュニケーション本部 コミュニケーションデザイン部
メディア企画グループ グループリーダー
KDDI
ブランド・コミュニケーション本部 コミュニケーションデザイン部
メディア企画グループ グループリーダー
ChatGPT広告は、ユーザーの意思が固まりきる前や、課題をなんとなく意識し始めた段階で接点を持てる可能性がある点が特徴のひとつだと感じています。
会話の流れに沿って自然に訴求できるため、従来の検索広告では拾いづらかった微妙な意図やニュアンスにも寄り添いやすく、情報収集や比較検討の段階から自社サービスが選択肢のひとつとして意識されやすい点は大きな魅力だと思います。
一方で、広告がどこまで成果に貢献したのか、AIのオーガニックな回答自体の影響とどう切り分けて評価するかは難しい部分もあると感じています。
また、会話の解釈がずれるとユーザーに違和感を与えるリスクもあり、広告に対する不快感などによるブランドへのマイナス影響についても慎重に見ていく必要があると考えています。
こうした前提も踏まえると、他メディアとの役割分担や全体のプランの中での位置づけも意識しながら活用のあり方を検証していく必要があり、クロスメディア全体での効果を見ながら最適な活用策を見極めていくことが重要だと考えています。
メルカリ 石渡氏:最大のポイントは「情報のリアルタイム性」
石渡 貴大 氏
メルカリ
Senior Marketing Manager / AI Marketing Lead
メルカリ
Senior Marketing Manager / AI Marketing Lead
ChatGPT広告の開始は、生活者が日常の疑問やニーズを能動的に投げかける「対話の場」に直接アプローチできる、非常に魅力的な新しいタッチポイントになると期待しています。
従来の検索やSNSとは異なり、お客さまの深い文脈や意図を捉えた、よりパーソナライズされた提案が可能になる点がブランド企業にとっての大きな期待価値です。
一方で、特にC2Cプラットフォームを展開する弊社のような企業にとって、最大の鍵であり注意すべきポイントは「情報のリアルタイム性」です。一点モノの出品が目まぐるしく流動するC2Cの世界では、AIがお客さまに商品を提案した瞬間にその在庫がすでに売り切れている、といったミスマッチが起こり得ます。
対話型AIの利便性を最大限に活かすには、プラットフォーム側の在庫状況をいかにタイムリーかつ正確に広告側へ連携できるかという技術的な仕組みづくりが不可欠です。
この新しい広告体験が、お客さまの「今欲しい」とメルカリの「今ある出品」をいかに精度高く結びつけられるか、マーケターとしてその進化に深く注目しています。




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