デジタルマーケティングで市場拡大を目指す #07

いま改めて問う「Webサイトのあるべき姿」、絶対に考えるべき4つのTIPS 【ユーキャン 鳥羽 渉】

前回の記事:
ユーキャンのAI(人工知能)活用にみる、事業会社の「機械学習」への向き合い方【鳥羽 渉】

自社サイトが抱える、多様な課題

 現場マーケターがデジタルマーケティングの課題について考える、連載7回目のテーマは「Webサイト構築」です。

 私はWebマーケティング担当として、広告出稿からクロージングまでを担っています。これまでの連載では、集客の課題をテーマにした記事が多かった印象ですので、今回は「Webサイト構築」について考えてみたいと思います。

 自社サイトは、その企業の顔として様々な役割が課されており、その結果、来訪の目的が異なる人が同じページにランディングすることが多くなります。また、マスプロモーションやWeb広告出稿によって、せっかく見込度の高いお客さまをサイトに誘引しても、導線がおかしかったり、何らかのボトルネックがあったり、逆にコンテンツが多くて迷わせてしまうと、最終的な成果を大きく毀損してしまうことになります。

 もちろん、企業によってWebサイトの目的は様々ですので、それらの問題に対して一律の明快な解があるわけではありません。そこで、今回はサイト構築に関する課題をTIPS的に取り上げたいと思います。自社の課題に適合する内容があれば、参考にしていただければ幸いです。
 

TIPS① 陥りがちな最適化のジレンマ

 WebサイトはリアルタイムにABテストを実施することが可能です。当社でもテストツールを使用し、細かいページの要素から、大きなページのデザインまで各種のテストを繰り返して、CVR(コンバージョンレート)を最適化したページの構築を目指しています。

 しかし、テストを繰り返した結果、自社のWebサイトが特定ターゲットに特化したデザインや構成になり、ターゲット以外の来訪者にとっては「何か違う」と感じさせる状態になっていることに気づきました。これが連載記事の第1回で触れさせていただいた「最適化のジレンマ」です。

 もちろんボリュームゾーンであるターゲットの獲得効率が上がることは、悪いことではありません。ただ自社サービスのターゲットが広い場合は、テストを繰り返し、最適化を突き詰めた結果、機会損失につながってしまうこともある、という認識を持った方が良いと思います。


 

TIPS② トップページ至上主義は危険

 Webサイトを設計する場合、まずトップページが存在し、そこを起点としたツリー上の階層構造で各コンテンツを配置するケースが多いと思います。

 もちろん設計思想として間違いではないのですが、サイト自体のSEOランクがある程度あがってくると、ランディングページがWebサイトトップでは無いケースが増えてきます。その傾向は、年々強くなっていると感じています。

 当社の場合、テレビCMなどのマスプロモーションを行っておらず、社名のプレゼンスが低下している時期は、ランディングページがトップ以外のページになる比率が50%を超えています。

 これまで、トップおよび各商品のトップページを起点に導線を考慮して、Webサイトを設計していましたが、今後はサブページも含めたマルチエントランス対応が、より必要になるものと感じています。

 具体的にはランディングページが来訪の目的と齟齬があった場合でも、即離脱につながらないような、導線設計が必要でしょう。

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