データ・ドリブン・マーケティングの実践に向けて #02

KPIを効果的に設定するための「3つのポイント」 【電通 西田悟史】

【KPI設定のポイント③:Large PDCA指標とSmall PDCA指標をリンクさせる】


 Large PDCAはブランディングなどの視点から心理指標によるマネジメントが多く、一方でSmall PDCAは継続的にトラッキング可能なデジタル関連指標を中心にマネジメントするケースが多くなっています。週次レベルなどでアンケート調査を実施するであれば心理指標をSmall PDCAで用いることも可能ですが、半期ごとや年次で調査する場合、デジタル関連指標の中から代替可能な指標を選定することが望ましいです。

 Large PDCA指標とSmall PDCA指標をリンクさせるためには、主に2つのアプローチがあります。まず、アンケート調査で検索やサイト訪問の有無などを直接質問するという方法です。ただし、この方法はランディングページなどを複数設けている場合などにおいて、サイト訪問の有無などを正確に回答してもらうことが難しいという欠点が挙げられます。

 そこで有用と考えられているのが、Web行動履歴データと紐付けが可能なパネルを用いたアンケート調査です。この手法であれば、心理指標とデジタル関連指標との関係性を検証することが可能です。データ分析には、先程と同様に共分散構造分析やベイジアンネットワークなどの統計的手法を用います。


 

まとめ−効果的なKPI設定のために

 KPI設定におけるポイントは、次の3つです。
 
  • ポイント①:「Sub KPI(各施策レベル)」までブレイクダウンする
  • ポイント②:「KGI」との相関が高い指標を選択する
  • ポイント③: Large PDCA指標とSmall PDCA指標をリンクさせる
 これらのポイントをふまえてデータ分析を行うことによって、「KGI」「KPI」「Sub KPI」を体系的に設定することができます。
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