独自データから高精度ターゲット分析
電通は8月26日、独自の生活者意向データを使ってブランドの的確なマーケティングターゲットを探索し、広告メッセージのコンセプトを提案する生成AIツールを開発、同日から国内グループ各社で運用を始めると発表した。すでに運用しているAIコピーライター「AICO2」と連携することで「心に響くコピー」を自動生成できるといい、電通が長年培ってきた大量のデータにAIツールと戦略プランナーのノウハウを組み合わせることで、格段にスピードアップした高品質な広告制作と顧客の事業支援が期待できるという。
電通によると、広告戦略の立案において重要なのは「信頼性の高いターゲット分析」。「適切なターゲット設定」と、「そのターゲットが商品に感じる魅力の把握」が広告効果に直結するため、コピー生成前の高精度のターゲット分析が求められる。
電通は2015年から広告作成におけるAI活用を研究開発し、AIコピーライター「AICO」を開発(※)。今回新たに開発したツールは、独自のデータ基盤「COSMOS DATA」に登録された137の商品カテゴリ・計4915銘柄(8月26日現在)に関する生活者の購入・使用意向のデータを活用しており、ブランドに適合したターゲット探しを迅速に行う。そのターゲットに向けたメッセージコンセプトを複数案出力することもでき、電通の戦略プランナーによるコンセプト例を事前に学習することで練度を高めている。
※現在は「AICO2」:【速報】電通が新AI戦略を発表、企業秘密ノウハウを元に広告コピー生成ツール開発
新ツールを活用することで、従来は熟練の戦略プランナーであってもデータ分析からメッセージコンセプトの検討・記述まで数時間要していたターゲット分析作業が、数分でできるようになる。さらに新ツールが生成したメッセージコンセプト案を戦略プランナーが洗練させ、「AICO2」に連携することで、「広告メッセージのコンセプト開発から各ターゲットに向けた『心に響くコピー』生成までを一気通貫で実現する」(電通)という。
(図表)新ツールを使ったターゲット分析からコピー生成までのイメージ

電通は「本ツールをともに高めあう良きパートナーとして位置付け、ブランディング領域における高品質な広告制作を実現し、顧客の事業成長に貢献していきます」とコメントしている。