ミレニアル世代の旗手たち 徳力基彦インタビュー企画 #20

サイバーエージェントと、スマートニュースで学んだ「ファン目線」の大事さ

前回の記事:
デジタルよりも、はるかにレベルが高かった紙メディア。その融合は、どう進む?
 ミレニアル世代を代表するビジネスパーソンにアジャイルメディアネットワークの徳力基彦氏がインタビューし、現代のマーケティング担当者が知っておくべき消費者行動やその捉え方を探ります。

 第10回は、元スマートニュースのマーケター 山崎佑介氏。学生時代はテレビ番組に出演して音楽活動を行い、大学卒業後はサイバーエージェントに入社。データアナリストとして働いた後、スマートニュースでユーザー増加に向けたマーケティングを担当し、話題のテレビCMを数多く制作。2020年4月にファンを軸にマーケティング支援を行うI am your fanを設立しました。

 これまでに影響を受けた仕事や人との出会い、そこから生まれた思考法に迫りながら、デジタルとマス広告の両方を手掛けるマーケターとしての視点から、成果を出すマーケティングに必要なことを聞きました。
 

ミクシィで自分のファンと交流した大学時代


徳力 山崎さんは1989年生まれなので、スマートフォンやソーシャルメディアを学生の頃から使っていた世代ですよね。インターネットを純粋にコミュニケーションツールとして使用してきているので、私のような会社に入ってから本格的にインターネットに触れた1970年代前半生まれや、大学生の頃に触れた「76世代(ミクシィ 笠原健治氏やメルカリ 山田進太郞氏など1976年前後に生まれたIT企業経営者)」とも、異なる感覚を持っていると考えています。

その中でも山崎さんは、サイバーエージェントでデータアナリストを経験した上で、スマートニュース(以下、スマニュー)でテレビCMも手がけるなど、デジタルだけでなくマス広告も使えるという稀有な人材です。

今回は、そういった視点から、たっぷりお話を伺えればと思っています。そもそも、山崎さんがインターネットに最初に触れたのは、いつ、どのような体験でしたか。

山崎 小学校の中学年ぐらいでしょうか。父がデスクトップパソコンを購入したのが、最初でした。僕も自由に使ってよかったので、いろいろ検索してみたり、ソリティアなどの付属ゲームで遊んだりしていましたね。中学生の頃には当時は多くの人が使っていましたが、動画共有ソフトで動画をダウンロードして見ていましたね。
 
I am your fan 山崎佑介氏2013年京都大学経済学部卒業後、サイバーエージェントに入社。データアナリストを経て、動画事業の子会社を立ち上げ、YouTuberとしても活動。2016年6月スマートニュースに入社。オンライン・オフラインのマーケティング業務を統括し、話題のテレビCMを数多く制作。2020年4月ファンを軸にマーケティング支援を行うI am your fan(私はあなたのファンです)を設立。


徳力 動画から入った世代なんですね、本当にインターネットにネイティブですね。

山崎 スマートフォンが出てきたのは、高校生に入ってからですね。僕はiPhoneを持っていました。

徳力 コミュニケーションツールとして、はまったWebサービスはありますか。

山崎 ミクシィですね。大学2年生の頃から「ハモネプ」(フジテレビ系列バラエティ番組のコーナー)に出演して歌を歌っていたので、ミクシィでファンと交流していたんです。

あえて、自分から交流しようと思ったわけではなかったのですが、まあバレたというか。ファンだと思って承認すると、心ないコメントをする人もいて。だから、ネット上でひどいことを言われることにも慣れているんですよ。

徳力 山崎さんが、インターネットに対してフラットな視点を持てているのは、タレント活動をしていた経験があるからかもしれません。   
  
徳力基彦
アジャイルメディア・ネットワーク アンバサダー・ブロガー /ピースオブケイク noteプロデューサー
NTTやIT系コンサルティングファームなどを経て、 2006年にアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。「アンバサダーを重視する アプローチ」をキーワードに、ソーシャルメディアの企業活用についての啓蒙活動を担当。2009年2月に代表取締役社長に就任し、2014年3月より取締役。2019年6月末で退任、7月から現職。同月 ピースオブケイク noteプロデューサー/ブロガーにも就任。

山崎 そうですね。ライブをやるときは、そのコミュニティを活用して宣伝したり、より積極的にコミュニケーションしたり、無意識にやっていましたね。

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