伊東塾 #02
「今朝、オフィスに向かう途中で見た看板の色を覚えていますか」脳のオートパイロットを解除せよ
2018/05/16
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人間の脳の構造を理解することが大事
達成すべきマーケティング目標を導き出した次は、消費者からどのように商品への興味を引き出すかを考えるステップになります。そのために、まずは人間の脳の構造を知ることが大切です。
人間の脳は、身体の2%ほどの重さがある一方で、エネルギーの約20%を消費していると言われています。あらゆる感覚から入ってくる情報をものすごい速さで処理していて、1日に数万回の意思決定をしていると言われています。
その意思決定には、「意識的な決定」と「無意識的な決定」があるそうです。意識的な決定はエネルギー消費量を急激に上げるため、人間はできる限り意識的な意思決定をしないようにできています。
それが「オートパイロット(自動操縦)」と言われる状態です。例えば「今朝、オフィスに向かう途中で見た看板の色を覚えていますか」と尋ねても、覚えていない方がほとんどでしょう。
絶対に見ているはずなのに覚えていない。これは人がオートパイロットの状態にあるからです。この状態の人に向けてマーケティングしても、効かないのは当たり前。無意識のうちに、無視している状態にあるからです。
ということは、消費者が操縦モードに切り替わったときに勝負をかけるか、もしくはアラートを鳴らして操縦モードに切り替えさせなくてはいけません。
さらに操縦モードのときに、こちら側が発信するシグナルがその人にとって大事な情報であることを分かりやすく伝える必要があります。
元P&G 伊東正明氏による「伊東塾」開催決定
勝つためのマーケティングの原理原則。 P&Gでの20年間で生まれたフレームワークを伝授
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私はこれを「レセプティビティ(受容性)」と呼んでいます。どのタイミングに伝えれば、我々の商品に対して受動的になるのか。そして、どのようなメッセージであれば、自分に関係のないと思っていた商品が、実は関係があると気づかせることができるのかを考えるのです。
そのためには色々な方法があります。1つ目は、インサイトを突くこと。2つ目は、違和感をもたらすこと。でも、その違和感も無関係な存在になってはいけません。
広告のクリエイティブの優劣は、ここに出ます。「言われてみれば、その通り」という広告で商品が売れるのは、オートパイロットの状態の脳にスイッチが入り、操縦モードに切り替わるからです。