音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 #03

音部さん、大失敗した後輩にどのような言葉をかけたら良いでしょうか。

前回の記事:
マーケティング活動を「フレームワーク化」する力は、どうしたら身に付きますか?

失敗した理由は、必ずしも成功する理由と同じではない

【質問】

キャンペーンで大失敗した後輩マーケターがいます。先輩として、どのような言葉をかけたら良いでしょうか。

 新たな課題に果敢に挑んだ後輩の失敗は、無駄にしたくないですね。先輩として、うまく手助けしたいものです。失敗は事後の活動によって「ただの失敗」と「ラーニング(学びの経験)」に分けられます。挑戦を通してしか得られない何かを学んでいれば、それは単なる失敗ではなくラーニングです。つまり、成長の源泉である「知識」を獲得しています。時間と労力と資源を使い、失敗したとはいえ固有の知識を得られている。なかには、失敗のリスクを踏まなければ得られないラーニングもあることでしょう。

 その後輩には、この活動から何を学んだのか、聞いてみてはどうでしょう。何も学んでいなかったり「どうして失敗したか」しか学んでいなかったりすると、次も同じ失敗をしたり、違う方法で失敗したりするかもしれません。失敗した理由は、必ずしも成功する理由と同じではないからです。

 成功に比べて、失敗の仕方はたくさんありそうです。「どうしたら成功し得たか」を学べていれば、次回は成功する可能性が高まることでしょう。 そのためには、事前に戦略を明示しておくと活動を振り返りやすいものです。「ごちゃごちゃ言ってないで、勝負は時の運だからやってみなくちゃわからない」といった一種の思考停止がよろしくない理由の一つに、行動の結果から学びにくいことが挙げられます。勢いだけで実行すると、「やってはみたものの、なんだか分からない」となりかねません。  

 今回の経験が次の活動につながり、二度目の挑戦では初戦を戦うときよりも経験値が上がっている状態を目指したいと思います。それから、経験ごとにラーニングを得る、というのは負けたときに限った話ではありません。勝ったときも同様です。なぜ勝てたのか分からなければ、勝ちに乗じることも難しいでしょう。この痛恨の経験から後輩が大きなラーニングを得られるよう、手伝ってあげてください。
 
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