成長企業から考える「マーケターの定義」 #04
マーケティングは、スキルや体力よりも「心のもちよう」が大事と考える理由
心技体は、重要性のプライオリティを示している
ありがたいことに、僕がこれまでアジェンダノートで書いたコラムを読んだという人にお会いすることや連絡をいただくことが、最近増えてきました。改めて、アジェンダノートというメディアが持つ影響力と読者の意識の高さを実感しているところです。そして毎回、書き終わるごとに、何かから解放されると同時に追い込まれていくような気がしています。僕は、頭で考えたかっこいい表現レトリックよりも、心の底から湧き出てきた本心を言葉として紡いでいくことの方が人の心に何かを残せると思っています。でも、それを毎回やると、それなりの生みの苦しみが発生します。苦しみを乗り越えるためのモチベーションは、「誰かの役に立っているかどうか」と「誰かの心を動かせたかどうか」です。今のところ、どうやらそれなりに誰かの役には立っているようなので、今回も頑張って書こうと思います。
さて、前回と前々回のコラムでは、マーケティングにおける戦略というものの捉え方について書きました。今回はもう少しライトに、マーケターの「心のもちよう」に関して個人的な考えを書こうと思います。
マーケティングのスキルやフレームワークなどを学ぶための本や勉強会は世の中に沢山あると思いますが、「心のもちよう」に関しては、テーマになることが少ない気がします。
これまでは師弟制度の中でOJTや宴席などで先輩から学び、自然と身についていたものだと思うのですが、もしかしたら今の若い子にはそういった機会があまりなく、こういったテーマに対して需要があるのではないかと思ったのです。文章だけでどこまで伝わるかわかりませんが、トライしてみようと思います。
僕は中学生の頃から約10年間、柔道、空手道、テコンドー、合気道など、様々な武道の修行をしていました。武道の世界には、心・技・体という言葉があります。これは、単に心と技術と体を磨くことの3つが武道の修行で重要であるということを言っているわけではありません。
心が最重要で、その次に技術、そして最後に体が重要であるというプライオリティを示しているのです。心が恐れを抱くと体が思うように動かなくなりますし、殺気をコントロールすることで無駄な闘いを避けることもできます。僕は、マーケティングも同様に、「心のもちよう」がスキルよりも体力よりも大切なことだと思っています。
武道の考え方をベースに、もう少し具体的にマーケターとしての「心のもちよう」の話をしたいと思います。僕はこれまで様々な武道の修行をしてきましたが、武道の究極の姿は「合気道」にあると思っています。