音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 #05

仕事で確固たる軸がないあなたへ。音部さんが大事にしている3つの考え方

前回の記事:
マーケターとして「心踊る瞬間」とは、いつか【音部大輔】

音部さんが大事にしている3つの考え方

【質問】

 自分の仕事に確固たる軸がないように感じています。音部さんが仕事をする上で最も大事にしている「哲学」は何ですか。

 意識的に哲学というほどのものを打ち立てているわけではありませんが、普段から次の3点を気にしています。

① その打ち手は十分に美しいか。

 つまり、ただの思い付きではなく戦略をきちんと考えた上での打ち手になっているか。目的と資源を再解釈し、所与の資源で最も効率よく目的を達成できる策になっているか。であれば、機能的で無駄なく美しくあることでしょう。実行の半年後に「あぁ、なんて愚かな策だったことか」と悔やんでいるとしたら、どのような状況があり得るだろうと吟味していれば、そうした事態を回避できるかもしれません。できれば、二手、三手先を考えて用意していればさらに素晴らしい。

 多くのイノベーションがそうあるように、たとえ発想の起点が気まぐれな思い付きであったとしても、戦略に立ち戻って構造化することが重要だと考えます。思考の過程を経ることで最初の思い付きよりも強力になり、洗練させられることが多いからです。

② 自然現象として、理性的・合理的に意思決定できるものか。

 自然現象として成功を期待できそうか。また、その計画に再現性は担保されているか。つまり、物事の仕組みを理解し、自然現象としての人の感情や情緒を解した上で、自身やチームが理性的・合理的に意思決定できるものになっていることも重要です。過度に幸運を必要とせず、必然の結果として、成功を論理的に説明できることが望ましいと考えます。

 一回限りの計画であっても、適用した戦略や概念は反復できることが多いものです。一回限りだからやってみなくちゃ分からない、という博打で成功し続けられる異才でないなら、今回限りの計画にも再現性を意識するべきだと考えます。

 消費者の消費行動も、各種経済主体の経済行動も、それぞれ人間的で感情に依存する部分がとても多いものです。とはいえ、すべて自然現象です。感情による判断も、超常現象ではありません。自身やチームでちゃんと考えれば、対応できることも少なくないように思います。

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